広島・野村が救う!10日西武戦今季初先発濃厚 大瀬良抹消&3連敗貯金0の苦境を

 広島・野村祐輔投手(32)が6日、マツダスタジアムで行われた1軍投手指名練習に合流。今季初登板初先発する見通しの10日・西武戦(ベルーナドーム)に向けて意気込みを語った。チームは3連敗中で勝率は今季初の5割。エース・大瀬良が出場選手登録抹消中という危機を実績十分の右腕が救う。

 口調は静かでも、秘めた闘志が宿っていた。本拠地での練習開始前。野村は後輩投手陣から温かく迎えられると、キャッチボール、ランニングなどで汗を流した。不完全燃焼に終わった過去2年。「何とかチームに貢献したい気持ちが強い。昨年、それより前も悔しい思いを個人的にしている。それを晴らしたい」と決意を示した。

 前日には大瀬良が出場選手登録を抹消された。エース不在の中、チームの日本投手最年長右腕への期待は大きい。交流戦は3勝9敗で単独最下位。3連敗で最多7あった貯金がなくなった。そんな苦境を乗り越えるためには何が必要か-。少し間を置いてから「暗くならずに明るく一戦一戦、必死に戦うことが一番だと思う」と自らの経験も踏まえて強調した。

 西武戦登板は2019年以来。「メンバーが替わっているだろうし」と話したが、通算6試合で4勝0敗、防御率1・60という抜群の好相性も追い風になる。「力強く振ってくると思う」と相手打線の印象を語った右腕。自慢の投球術で山賊打線を封じていく。

 6勝を挙げた20年シーズンは、10月中旬に「右鎖骨下静脈血栓除去手術」を受けた。手術明けで臨んだ昨季は2年ぶりに開幕ローテ入りを果たしたが、8試合で0勝4敗。プロ10年目で初の未勝利に終わり「思うようにいかないところが多かった」と振り返った。

 心身共にもどかしさが募る中、「思ったように体を動かせるように、しっかり自分で体を操れるように。よりよく日々やってきたつもりでいます」と練習で注力した点を明かす。春季キャンプから2軍で調整を続け、ウエスタン・リーグではここまで8試合で1勝0敗1セーブ、防御率1・42。安定感が1軍合流につながった。

 求めるのはチームの勝利。その先には自身2年ぶりの白星も待っている。「まずは自分の投球をすることですね。自分は全部の球種を使って抑えていく投手。マウンドで自分の持っているものを出せるようにしたい」。積年の思いも力に、背番号19の逆襲が始まる。

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