広島・大瀬良まるで別人 5回5失点KO 初回「少し探りというか」悔いだらけ

 「ソフトバンク7-0広島」(27日、ペイペイドーム)

 広島の大瀬良大地投手(30)が今季最短となる5回で降板し、同ワーストタイの5失点で2敗目。初回に自身初の押し出し四球を与えるなど、8安打3四球と本来の制球力が影を潜めた。チームは昨季の交流戦で3勝12敗3分けと大きく負け越した。今季もこれで1勝3敗と黒星先行。流れを変える白星をつかみたい。

 大瀬良の胸の中は、自身に対する歯がゆさで充満していた。今季最短の5回5失点KO。視線を落としてベンチに歩く姿に悔しさがうかがえた。「ああいう形で先制されると流れが来ない。野手のみんなに申し訳ない」と自責の思いを吐き出した。

 立ち上がりから、別人だった。初回1死満塁で中村晃に左前へ運ばれた。なおも満塁で明石には押し出し四球を与えた。続く柳町に右前適時打を浴び、いきなり3失点。「少し『探りに』というか、そういう気持ちで行ったのが良くなかったかなと。感覚的に合わせることも修正することも難しかった」と唇をかんだ。

 2017年7月18日の阪神戦で押し出し死球は与えたが、押し出し四球はプロ入り初。制球面で明らかにズレが生じていた。一回だけで球数は39球。打者9人中7人に対し、初球がボール球になった。

 四回は2死一、二塁で牧原大に右翼線への適時二塁打。五回はグラシアルに右越えソロを浴びた。いつも投球を支えるカットボールが有効に使えず「何より真っすぐに力もスピードもなかった」。これで右腕は交流戦でソフトバンクに通算0勝3敗。5勝目を挙げた前回20日の中日戦に続き、2戦連続の5失点と苦い結果となった。

 この日は球場の屋根が開いた「ルーフオープンデー」。普段と違う“屋外球場”のマウンドに難しさが伴ったのかもしれないが「風にも合わせないといけないと思ったけど、そこもできず、そのまま行ってしまった」と肩を落とした。

 佐々岡監督は「真っすぐも変化球も制球できていなかった。真っすぐを制球できていないから、変化球の甘いところを打たれている印象」と渋い表情。前日26日は九里が4回1/3を6失点(自責点5)で敗戦。先発2本柱での2連敗が、チームに重くのしかかる。

 開幕から、どんな時でも試合をつくって役目を果たしてきた大瀬良。「キャッチボールから見直していきたい」。次戦は必ずやり返す。

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