広島・ドラ5松本 制球力アピール 初フリー打撃登板、全40球中ボール球わずか2球

 ランチ特打に登板して打撃投手を務める松本(撮影・立川洋一郎)
 登板を終えて笑顔を見せる松本(撮影・立川洋一郎)
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 「広島春季キャンプ」(10日、日南)

 広島のドラフト5位・松本竜也投手(22)=ホンダ鈴鹿=が10日、今キャンプ初めてフリー打撃に登板。打者7人に全て直球で40球を投げ、安打性の打球を4本に抑えた。最速は142キロながら球威で押し込んだ上、ボール球はわずか2球と制球力も抜群。中継ぎ候補のルーキーに、他球団のスコアラーも高評価を口にした。

 雨が上がった天福球場で、松本が周囲の視線を一身に浴びた。今キャンプを通じ、初めて打者相手の投球を披露。味方相手にも気後れすることなく、堂々と腕を振ってアピールに成功した。登板を終え「思っていた以上に力んだけど、ストライクも入っていたし、打者に向かって投げられていた。良かったかなと思います」と納得顔で振り返った。

 この日は同期入団の黒原、森とそろって登板。両左腕が投げ終えた後の“トリ”でマウンドに上がった。相手は菊池涼、会沢、ドラフト6位・末包、林の4人。会沢は一度のみ、他の3人とは2回ずつ対戦で全球直球を投げ込んだ。最速は142キロながら「思っていた以上に、いいボールがいっていた」と、球速以上に力強さのある球威でねじ伏せた。

 同時に際立ったのは制球力。全40球中、ボール球は2球のみ。阪神・御子柴スコアラーは「物おじせず、ストライクゾーンにどんどん投げていた。ボールのスピンも良かった」と警戒心を強めた。中日・岩田スコアラーも「パワーピッチャーで球が強い。(実戦で)空振りが取れる変化球があるか、だと思う」と今後も注視していく姿勢を示した。

 中盤からは全てクイックで投球したが、制球が一切乱れないところも頼もしい。最後は昨季10本塁打の林を相手に4球連続ファウルを打たせ、何度も押し込んだ。高橋投手コーチは「球質が面白い。低いところから、低いところへ行くイメージで見られた。スピードがもっと出てくると楽しみ」と期待を膨らませた。

 東邦ガスの補強選手として出場した昨年12月の都市対抗野球では全て中継ぎで3試合に登板して、計8回を無失点と活躍した。チームは昨季、守護神・栗林につなぐまでの継投に苦戦。中継ぎ起用が見込まれる右腕が新たに加われば、ブルペンには厚みが増す。

 今後の実戦に向けて「どんどん精度を上げていかないといけないと思う。その都度出た課題に対し、しっかり向き合っていこうと思います」と松本。その右腕と“剛球”で自らの株をさらに高める。

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