走れ!広島 盗塁増やせ 北別府氏「足を使わにゃチームは変えられん」

 ペナント終盤の頑張りで4位フィニッシュとなった広島だが、物足りなかったのがカープの“お家芸”とも言える機動力。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「足を使った野球ができなければチームは変えられない」と語り、盗塁の意識を高めるよう求めた。

   ◇  ◇

 昨年に比べて今年の前半は、盗塁を仕掛けるシーンが結構あったが、徐々にそういう動きが減っていったように思う。

 失敗してアウトになることで、ベンチからもサインが出なくなった感じ。その結果、打力任せになって、ヒットは出るが、得点につながらないという状態が長く続いたよね。

 最終的にチームの得点は557で、リーグ3位にまで押し上げたけど、チーム打率が1位の・264だけに、もっと得点できたはずだ。

 やっぱり“足”を使わなきゃね。走るのが広島の野球。ワンヒットで一、三塁という形を作る。そして盗塁で投手を崩していく。

 たとえ走らなくてもベース付近で、「走るぞ、走るぞ」と思わせて、チョロチョロされるだけでも投手は嫌なもの。クイックで投げなければならなくなるし、二盗を決められれば、ヒット1本で点が入る可能性が高まるのだから。

 (今シーズンのセ・リーグのチーム盗塁数は阪神が114で抜けた1位。2位が70のヤクルトで68の広島は3位。決して悪い数字ではない。以下4位の巨人が65、5位の中日が60、6位のDeNAが31)

 個人では鈴木誠也と曽根の9個が最多でしょう。2ケタ走っている選手は1人もいない。逆に言えば、それで上位3番目の数字なのだから、走れる選手が多いとも言えるわけですよ。

 確かに盗塁に失敗すると、次から足がすくんでしまうかもしれない。

 (チームの盗塁失敗は40でリーグで最も多い。盗塁の成功率・630は4位。やはり盗塁の技術は磨く必要がある)

 私たちの時代は、今井讓二さんという代走のスペシャリストがいて、塁に出るとほとんど1球目か2球目に盗塁を試みていた。というより決めていたね。ウエストされてもセーフなんだから。投球モーションをしっかり盗んでいた。足も速かったけど、クセを見抜くのもうまかったよ。

 (今井讓二の8年間の通算打席数は31。それで62盗塁。1984年は15盗塁で失敗が2。86年は17盗塁で失敗が3。守備と代走の専門家だった)

 つまり研究が大事ということだね。今の時代は動画とかデータは豊富にあるのだから、要するに、やる気の問題でしょう。代走専門だからではなく全員で走る意識をもつべき。

 投手には必ず“クセ”があるもの。盗めば直すが、またスキは見せる。その繰り返しですよ。スコアラーと一緒になって、いかに根気よく勉強するか。

 記憶に新しいところでは、赤松選手が走りでリーグ優勝に貢献してくれた。そのような広島らしい、足を使った抜け目のない野球ができれば、必ずチームは変えられる。

 走れる選手は盗塁王を狙う気持ちでチャレンジする。サインが出ないなら「走りたい」と直訴すればいい。ベンチも怖がらずに走らせる。

 秋季練習やキャンプでは盗塁の特訓組を作って“研究と練習”に励んでほしいね。ワンヒットをツーベースにする。来年のスローガンは「今年は走るぞ!」でどう?

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