広島・森下 初球宴にメラッ 全力投球宣言 2年ぶり開催に「見てもらいたい」

 「マイナビオールスターゲーム2021」のファン投票最終結果が28日、発表され、広島の森下暢仁投手(23)が、セ・リーグ先発投手部門で15万3836票を集め、初選出された。2年ぶりに開催される夢の球宴。感謝の思いを胸にマウンドに上がり、全力投球でファンを笑顔にする。

 12球団の精鋭がそろい、全国のファンが注目する球宴に、森下がファン投票で選出された。新人だった昨季は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が遅れ、開催されなかった。初の夢舞台。感謝の思いを込めて立つ。

 「本当にうれしく思います。こうやってできるというのは、いろいろな人の支えがあったからこそ。しっかりとした投球ができたら良いなと思ってます」

 初出場だけに、投球のイメージはまだ浮かんでいない。勝負してみたい打者を問われると「すごい人と対戦できたら良い」とだけ答えた。

 公式戦の緊張感から解放されるマウンドだからこそできる投球がある。19日のDeNA戦では自己最速となる156キロをたたき出したが「もう、あれ以上出ないと思うんで」と控えめ。それでも直球でグイグイ攻められるのは球宴の醍醐味(だいごみ)だ。

 「普通より良い球を投げられるように頑張りたいです」ときっぱり。強く振り抜く右腕の先に、自己記録更新が見えてくる。

 他球団の選手とコミュニケーションを図れるのも球宴ならでは。「いろんな人が集まるので、その中で野球ができるのは本当に楽しみ。いろんな人と話せたら良いな」と白い歯をこぼした。技術や考え方なども貪欲に吸収しながら、成長のきっかけにする構えだ。

 今季は11試合で4勝4敗、防御率2・36。5月下旬にはチーム内で発生した新型コロナウイルス陽性者の濃厚接触者となったため、一時戦列を離脱した。「侍ジャパン」の一員として出場する東京五輪に向けた新型コロナウイルスワクチンでは、接種後に副反応が出て登板間隔が空いたこともあった。

 思わぬ出来事がありながらのシーズンでも安定感は健在。27日の中日戦は8回1失点で、自己最長となる8試合連続でクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)を達成した。

 「短いイニングだと思うんですけど、全力で投げる姿を見てもらいたいです」。誰もが心を躍らせる真夏の宴。こん身の1球を投げ込み、ファンを笑顔にさせる。

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