広島の0勝左腕、20歳の玉村に北別府氏がぞっこん「好素材で将来が楽しみ」
広島に玉村昇悟という左腕投手がいる。2年目の20歳で現在未勝利。この2戦2敗の若者に対し、デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「球のキレで勝負するタイプ。こんな好素材の選手がまだまだいる。将来が楽しみ」と大きな期待を寄せた。
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いい投手が出てきたね。玉村はボールにキレがある。さほどスピードはないが、打者の手元でピュッと伸びるから、打ちにくいんだろうね。コントロールもよく、四球で崩れるタイプでもない。面白い存在だね。
ストレート以外ではスライダー系がいい。カーブやチェンジアップもあるが、このゆるい球をうまく使えるようになれば、もっと投球の幅が広がり、空振りが取れると思う。
150キロのボールを投げても打たれる投手は多いが、玉村のように140キロ台でもボールの質がよければ通用する、典型的な例だろう。
打者に向かってドーンと来る球よりも、このピュッと来る球の方が打ちにくい。タイミングが合っていると思っても差し込まれたり、捕らえたと思ってもボールの下っつらをたたいたり。打者からすると、厄介なタイプなんですよ。
プロ初登板が初先発となったDeNA戦も2度目の先発となった中日戦も、いい球を投げていたね。
(4月29日のDeNA戦は5回を5安打、3三振、2四球、5失点。5月9日の中日戦は5回を3安打、3三振、3四球、2失点。いずれも敗戦投手となったが、投球内容はよかった)
DeNA戦では内角の真っすぐで佐野のバットをへし折っていたね。よほどキレがいいんだと思う。先発でもリリーフでも、どちらでも力を発揮する投手だろうね。
(玉村は2019年度のドラフトで福井の丹生高校から6位で入団。今年が2年目でロッテ・佐々木朗、ヤクルト奥川、阪神・西純らと同期。高校時代は三振の取れる投手として注目されていた)
体も1年でひと回り大きくなっているし、順調に育っている。さらに変化球の精度が上がれば、もっと抑え込めるはずだ。
現状、新型コロナウイルスの影響がさらに大きくなり、チームは深刻な状況に陥っているが、こればかりはどうすることもできないからね。再び陣容が整うまでは、現有戦力で乗り切るしかない。
とはいえ、左腕先発が不足していたカープに、高橋昂に続いて玉村が加わった。床田も含めて陣容が一気に変貌してきたね。
玉村はまだ1勝もしていない投手だし、今後覚えることはたくさんあると思うけど、好素材が出てきたことだけは間違いないでしょう。
いったん登録を抹消されたようだが、次の登板に備えてのものかな。交流戦での先発登板に期待したいね。