広島・石原“初ぞろい”2点打も「反省はたくさん」 好リードできずチーム連敗

 3番手で登板し無失点の塹江(右)とタッチを交わす
 7回、プロ初安打となる2点適時打を放つ石原(撮影・立川洋一郎)
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 「広島3-5DeNA」(29日、マツダスタジアム)

 広島の石原貴規捕手(23)が1軍に再昇格し、プロ初スタメンでプロ初安打初打点をマークした。七回に2点右前適時打を放ち、プロ初盗塁も記録。だが、リード面ではプロ初登板初先発の玉村を勝利に導けずにチームは連敗。悔しさがうれしさを上回る一日となった。

 一振りで球場全体を熱気に包んだ。表情は変わらないが、石原はその景色を一塁ベース上で目に焼き付けた。歓声とともに芝生の上で弾んだ打球。踏み出した確かな一歩は、自身とファンの胸に刻まれる。1軍再昇格即プロ初スタメンで初安打初打点と躍動し「ホッとしたではないですけど、良かったかなと思います」と実感を込めた。

 4点を追う七回無死二、三塁で浜口から右前へ2点適時打。ベンチでナインが喜び、スタンドのファンからはこの日一番の拍手が注がれた。「最低でも1点というところ。二塁方向に入っていきながら打てたので良かった」とイメージ通りのスイングに納得顔。1死後にはプロ初盗塁も決め、佐々岡監督は「いい打撃だった。結果が出て良かった」と目尻を下げた。

 バットでは結果を残したが、手放しで笑顔を浮かべることはできなかった。同期入団でプロ初登板初先発となった玉村を勝利に導けず、チームは連敗。カード負け越しで借金1となった。相手の長打に屈する形となり「配球の面でも反省することはたくさんありますし、次につなげたい」と前を向いた。

 プロ初打席は引き分けに終わった開幕3戦目の3月28日・中日戦。九回2死一、二塁で四球を選んだ。2球で追い込まれながら、好機を広げたが「あれで打っておけば、ここ(2軍)にいない。(空振りした初球を)仕留めていれば、チームは勝っていた。悔しかったし、まだまだやなと」と反省と後悔が募った。

 16日に降格してからの2軍戦では、先発出場した全6試合で安打を記録。「今、1軍で打席に立ちたいですね」と声を弾ませた日もあった。確かな感触を抱きながら、マツダスタジアムを沸かせた若武者。収穫もあり、反省も募った節目の一日。チームが勝って喜べる日を目指し、ひたむきに歩みを進めていく。

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