広島・クロン、逆転V撃!緊急1軍合流即、佐々岡監督の期待に応え先制打!計3打点!

 2回、先制適時打を放ちベンチに向かってポーズするクロン
 ヒーローインタビューを終え、ファンの声援に応えるクロン
 6回、大島の打球をファンブルするクロン
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 「中日2-4広島」(18日、バンテリンドーム)

 広島のケビン・クロン内野手(28)が1軍緊急昇格即スタメン起用に応えた。二回に先制の適時打を放つと、1-2の八回1死満塁では左翼線へ決勝の逆転2点適時二塁打。上半身のコンディション不良から復帰したばかりにもかかわらず、2安打3打点の大活躍だ。チームもカード勝ち越しを決めて貯金1とし、3位に浮上。助っ人の再合流とともに、チームも再び上昇気流に乗る。

 大きく手をたたきながら、クロンは二塁へ到達した。その直後、左手で三塁ベンチを指さした。仲間が呼応する。長野や菊池涼らが拳を突き上げ、大道や三好は大きな拍手を送った。復帰戦で放った値千金の逆転打を、チーム全員で喜んだ。

 「自分の仕事は走者をかえすこと。それができて良かった」

 1-2の八回1死満塁で出番が来た。2球連続ファウル。追い込まれながら真ん中低めのスライダーを振り抜いた。前を打つ鈴木誠や会沢の打席で、祖父江の曲がり球の軌道は予習済みだ。初対戦を苦にせず左翼線へ逆転の2点適時二塁打だ。

 「自分自身に怒りを感じていた。先発なら勝ちを付けてあげたいし、抑えならセーブを付けてあげたい。燃えるものがあった」

 1-0の六回だ。一塁守備で先頭・大島の打球を捕球ミスした。この失策から2失点。復帰登板した高橋昂の白星が消えた。交代した左腕に「謝ったんだ」と明かした助っ人。打たないわけにはいかなかった。

 5日に上半身のコンディション不良で出場選手登録を抹消され、15日に実戦復帰。16日のウエスタン・阪神戦ではバックスクリーンへ特大弾を放ち、状態を上げていた。

 実は前日17日に完封負けした試合後、佐々岡監督は報道陣に翌日からの助っ人の合流見送りを示唆していた。「そうだったんだけど、(帰りの)バスで『うん?』って。(宿舎に)帰ってから決めた。急きょだったけどよく打ってくれた」。打線テコ入れへの願いが込められた緊急昇格。その決断に、クロンが応えてみせた。

 練習前のウオーミングアップでは、選手一人ひとりとグータッチを交わす。それが日課だ。「日本語がしゃべれないからね。それが一つの交流の手段。みんなと一緒にいるよ、という意味合いも込めているんだ」。言葉の壁を乗り越えながらチームに溶け込んでいる姿が頼もしい。

 今回の3連戦を勝ち越した。20日からは地元でヤクルトが相手だ。「帰っても勝ち続けたい」。コンディション不良だった箇所は順調に回復しており、問題はない。広島の空に快音を響かせてみせる。

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