広島・床田 ツーシーム完全習得で来季2桁星だ! 苦手の左打者克服誓う

 広島の床田寛樹投手(25)が5日、ツーシームの完全習得を誓った。今季は左打者を抑えるための武器としようとしたものの、思い描く軌道を描けなかった。内角へ食い込む球種がなく、対左打者の被打率は右打者を上回る・345だった。来年の春季キャンプでは複数の握り方に挑戦する構えだ。

 今季を振り返ると、床田の課題は明確だった。右打者の被打率が・308だったのに対し、左打者は・345だった。苦手意識もあったという。2桁勝利の期待がかかる来季。飛躍をするために、ツーシームの完全習得をテーマに置いた。

 「今年は左打者の内角をついて足元を動かす事ができなかった。もう一度、しっかり投げきれるようにしたいです」

 左打者対策として、昨季中からK・ジョンソンに教えを請うなどしてきたが、シーズンに入ると、球の軌道が思うようにいかない。「当てたらいけないけど、それくらい強い気持ちを持って投げたんですが…」。懐へ食い込むイメージで腕を振った球が「縦に落ちてしまった」。内角を意識させられず、外角球を踏み込まれた。

 DeNA・佐野には打率6割以上の成績を残された。中日・大島、ヤクルト・村上にも打ち込まれた。「試合前のメンバー表を見たとき、まず左打者が何人いるのかを気にしていた」。強い苦手意識があった。

 それでもシーズン終盤には光が見えはじめた。九里の助言を受け、その日の状態に応じて数ミリ指をずらして球を握った。当初は違和感があったものの、次第に狙い通りの球になった。少しの変化でも効果は絶大だった。

 来年の春季キャンプでは複数の握り方を試し身に付ける。体の状態や指先の感覚が異なっても、常時懐へ鋭く食い込む軌道を目指している。

 先発ローテの一角として期待され、15試合に先発した今季は5勝8敗。防御率4・93で終えた。夏場には出場選手登録を抹消された事もあった。今季限りでK・ジョンソンが退団した。来季、先発左腕として床田の肩にかかる期待は大きい。

 「左打者の被打率が下がれば、結果的に防御率も良くなっていく」と話し、続けて「やっぱり年下にも負けたくない」と力を込めた。森下を筆頭に若鯉が存在感を示した。若手からも刺激を受けている。来季はローテの軸として登板する事を目指し練習に励んでいく。

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