広島・長野、千金1号 流れ変えた!右翼ポール際へ同点3ラン
「ヤクルト3-6広島」(4日、神宮球場)
チームの願いを乗せた打球が右翼ポール際へ吸い込まれた。スタンドからは大きな拍手が沸き起こる。広島・長野はダイヤモンドを一周し終えると、笑顔の花が咲く三塁ベンチ前でナインから盛大に祝福された。普段は多くを語らない男がバットで示した意地。勝負の流れを変えた一発は、起死回生の同点3ランとなった。
ハイライトは0-3の七回だ。1死から代打・大盛、西川の連打で一、二塁とし、2死後に迎えた第4打席。代わったばかりのヤクルト2番手・マクガフに対し、1ストライクから外角148キロ直球を鋭く振り抜いた。
試合を振り出しに戻した一撃は、うれしい今季1号。長野は「みんなでつないだチャンスだったので、ランナーをかえすことができて良かったです」と控え目に振り返ったが、千両役者ぶりを存分に発揮する見事な一振りだった。
ベテランながら、本拠地での試合前練習では早出打撃練習に姿を見せるなど、精力的に汗を流してきた長野。1日の巨人戦から3番に入り、3試合連続のマルチ安打で中軸にふさわしい活躍を見せている。佐々岡監督は「あの一発は大きかったね」と値千金の一振りを高く評価した。上位進出へ、経験豊富な背番号5の存在は欠かせない。