広島・佐々岡監督 守護神スコットに託す 2投手の2軍降格も決定

 「練習試合、広島(雨天中止)阪神」(11日、マツダスタジアム)

 広島の新外国人、テイラー・スコット投手(28)が抑えを務めることが11日、分かった。この日の阪神との練習試合は降雨中止。練習後に取材に応じた佐々岡真司監督(52)が方針を明かした。来日1年目での開幕守護神は2011年のサファテ(現ソフトバンク)以来。オープン戦、練習試合と結果を残し続けた右腕が大役を勝ち取った。

 懸案事項の一つだった守護神が決まった。練習を終えた佐々岡監督は、新助っ人への信頼を言葉に変えた。「九回はスコットで開幕するのか?」と問われると「今の段階では、そう考えている」と答えた。結果を残し続けたからこそ、勝利の方程式の最後を担う大役を託す。

 スコットは共に抑え候補だったフランスアとDJ・ジョンソンの前を走り続けた。オープン戦は6試合で防御率3・00。2日からの練習試合では3試合で無安打無失点。いずれも九回から登板し、安定感が際立った。

 スライダーとツーシームを軸にゴロを打たせ、アウトを積み重ねるタイプだ。それでも3月21日・中日との練習試合では3者連続三振を記録。球速は150キロに近く、勝負どころでは三振を奪えるのも大きな強みだ。

 「気持ちの部分を保ち続けるのは確かに難しかった。でも、いつか迎えるであろう開幕へ向け、準備してきた」。自宅でヨガを取り入れた。球場では球の両サイドがカットされた変則球「スピンチェッカー」を用い、リリース時の感覚を確認したこともあった。工夫を凝らした練習で、状態を維持し続けた。

 来日1年目での守護神は11年のサファテ以来、9年ぶり。適性について、スコットは「どんな場面でもストライクを投げられ、四球が限りなく少ない。ゾーンで勝負できる投手に資質があると思う。登板が増えても十分に耐えられるスタミナも必要だ」と言った。自身が担うことには「任された回を投げ切ることを心掛けたい」と力を込めた。

 この日の練習後、DJ・ジョンソンと中田の2軍降格が決まった。12日からのソフトバンク戦は、勝利の方程式を担う投手を決める最後の舞台となる。

 9日に昇格した中崎と今村は、直後の阪神戦でいずれも1回無失点。フランスアも状態は上向いている。首脳陣は「七、八回の男」を目指しての、し烈なアピール合戦を期待している。

 開幕前最後の対外試合となるペイペイドームでの3連戦。柳田、松田宣、バレンティンら12球団屈指の攻撃陣を相手に救援陣を固め、V奪回ロードへの一歩を踏み出す。

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