誠也 守備の“トラウマ”告白「動けなくなって、諦めていた」17年の負傷で
広島の鈴木誠也外野手(25)が28日、都内で開かれた「第48回三井ゴールデン・グラブ賞」の授与式に参加した。今季は中堅を野間や西川など複数の選手が務めたことから、連係プレーの重要性を再認識。今季は3失策で2年ぶり3度目の受賞となったが、来季は無失策でチームを救うと誓った。
昨季までと異なり、鈴木はさまざまなことを考えながらグラウンドに立っていた。中堅を担った西川らと、守備についての会話も増えたという。「僕の意識の変わり始めの第一歩としては良かった」。自らの殻を破るきっかけとなる1年だった。
丸の巨人移籍が転機となった。それまでは「丸さんに頼りっぱなしな部分があった」。今季は野間や西川など複数の選手が守った。守備範囲や肩の強さが違う選手とコンビを組むことで、ポジショニングや連係プレーについて、より深く考えるようになった。
元々、守備への意識は高かった。だが、17年に横浜スタジアムの外野フェンスに激突して右足首を骨折。「動けなくなって、ちょっと諦めていたのもあった」。それでも今季はリーグ4位の25盗塁を記録するなどスピードを取り戻し、グラウンドを縦横無尽に駆け巡ることができた。
「動きも良くなってきたので、守備の怖さはほとんどない。一瞬、腐りかけた守備の心を取り戻した」
来季は無失策を誓うとともに、より正確なプレーを目指す。「見えないミスをなくしていきたい。外野の守備は一つのエラーで流れが変わったり、大量失点につながることがある。投手を助けられるように頑張りたい」。鉄壁の守備でチームを支えていく。