堂林 己にも長野にも勝つ 3年連続の護摩行で決意「今年はやる!」

 広島・堂林翔太内野手(27)が12日、鹿児島市内の最福寺で石原慶幸捕手、会沢翼捕手と恒例の護摩行に臨んだ。師と仰いだ新井貴浩氏は昨季限りで現役引退したが、3年連続で参加。巨人へFA移籍した丸佳浩外野手の人的補償で新加入する長野久義外野手らとの外野争いを勝ち抜き、新井氏への恩返しを誓った。また高野山別格本山「清浄心院」の住職・池口恵観大僧正(82)も鯉のプリンスの活躍に太鼓判を押した。

 法衣姿の堂林は顔をゆがめ、大きな声で経を唱え上げた。3度目の荒行参加は決意の表れだ。池口住職から「下がりなさい」と、しぐさを送られるほどの熱気を、歯を食いしばって耐え抜いた。

 「やはりきついですね。年々、気持ちを入れてやっています。また来させてもらって、まだ力があり余ってるんじゃないかと自分の中で確認できました。今年は必ず活躍できるようにしたいです」

 強い覚悟を持って約4メートルの高さまで燃えさかる炎と向き合った。師と仰いだ新井氏が現役引退。エルドレッドも退団し、丸はFAで巨人へ移籍した。一塁と外野を守る堂林にチャンス到来と思われた矢先、人的補償で長野の加入が決まった。実績十分のベテランの新加入で再び厳しい立場に追いやられたが、堂林は前だけを見つめている。

 「危機感はいつも持っている。競争は激しく厳しくなるけど、勝つしかその先はない。自分の力で試合に出られるようにしたい。いろんな人に負けないように向かっていけば勝てると思う」

 昨季は63試合の出場で打率・216、0本塁打、5打点。年下の野間や西川がブレークする中、ベンチを温める日が続いた。荒行に挑んだ過去2年はシーズンの結果に結びつかず。辞退という選択肢もあったはずだが、迷わず参加を決め、鹿児島までやって来た。

 「まだまだ足りないところがある。今までは見ての通りです。さらに力を引き出せるように。気持ちは引き締まるし、今年はやるぞ!という思いです」

 池口住職も堂林の変化を感じ取っていた。「前向きになってきている。今まではもうダメだと火に負けていたが、今日は乗り越えていた。いい成績を残すんじゃないか」。堂林へ授けた『不屈招福』『向明勝縁』という言葉には住職の熱い思いが込められている。

 プロ10年目。競争はし烈だが、一歩も引くつもりはない。「今年1年試合に出て活躍することが恩返しになると思う。そこは忘れずにやりたい」。難敵との争いに勝ち抜き、新井氏へ復活を届ける。

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