広島、崖っぷち…延長十回、中崎被弾で先制も逆転も木っ端みじん マツダで逆襲じゃ

 「日本シリーズ・第5戦、ソフトバンク5-4広島」(1日、ヤフオクドーム)

 広島が痛恨のサヨナラ負けで1勝3敗1分けとなり、ソフトバンクに王手をかけられた。4-4の延長十回、抑えの中崎翔太投手(26)が、柳田にサヨナラ弾を浴びた。丸の2ランや会沢のソロなどで3度リードを奪ったが、必死の継投も実らなかった。3日の第6戦は再びマツダスタジアム。最後まで諦めないカープの戦いはここからだ。

 カープに悲劇が繰り返された。4-4の延長十回、イニングまたぎの守護神・中崎が柳田にサヨナラソロを浴びた。今シリーズ2度目の延長戦はまさかの結末だ。敵地で3連敗を喫し、ソフトバンクに日本一へ王手をかけられた。

 「次頑張ります。(コースが)甘い。ど真ん中です。また切り替えて?頑張ります」

 試合後、懸命に言葉を絞り出したが、2年前も中崎が悪夢を見ていた。日本ハムとの日本シリーズ第5戦。九回、西川にサヨナラ満塁本塁打を被弾。敵地3連敗、王手をかけられたという事実まで、この夜と同じだった。

 緒方監督は「選手はしっかりプレーしている。早めの継投?別に、普通のこと」と淡々と振り返ったが執念のタクトを振っていた。

 この夜は必死の継投を決断した。1点リードの五回は先発・大瀬良が1死二、三塁のピンチを招くとヘルウェグにスイッチ。投ゴロの間に1点を返されたものの同点で食い止め、会沢の一時勝ち越しソロを呼び込んだ。

 六回は3番手の一岡が2死から二塁打を浴びると、迷わずフランスアを投入。この窮地を救ったドミニカンは七回に明石に同点ソロを浴びたが、気迫あふれる熱投を披露した。150キロ超の剛球を連発し、八回は三者凡退。九回も1死二塁のピンチを残すまでマウンドに立ち続けた。

 畝投手コーチも「打つ手は尽くした」と言った。打線も千賀を五回途中KOし、モイネロらリリーフ陣に必死に食い下がった。完敗ではない。まさに紙一重の一戦だった。

 2日は広島に戻り、3日から再び本拠地・マツダスタジアムでの戦いに挑む。緒方監督は「また明日コンディションを整えて、広島に帰って戦う。しっかり戦うだけ」と繰り返した。高ヘッドコーチも「ピッチャーも打席に立って、セ・リーグの野球ができる。仕切り直し」と前を向いた。もう負けられない。崖っぷちに立たされた鯉が、地元のファンと共に、逆転日本一へ執念を燃やす。

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