大瀬良の恩師が語る 「打者がお前の先生」向上心が生んだ成長

 「広島10-0ヤクルト」(26日、マツダスタジアム)

 広島が球団史上初となる3年連続9度目のリーグ優勝。待ちに待った27年ぶりの地元での胴上げが、ついに実現した。九州共立大の前野球部監督で、現在は名誉監督を務める仲里清氏(64)が、MVP級の活躍でリーグ3連覇に貢献した教え子の広島・大瀬良大地投手(27)について語った。4年間の育成方針や送ったメッセージなど。右腕の土台となった4年間を振り返る。

  ◇  ◇

 リーグ3連覇に貢献できたことにホッとしています。登板後はLINEで連絡をとってきました。去年までは技術的なことのやりとりがあったけど、今年はなかった。それだけ充実していたということでしょうね。

 大瀬良は長崎日大の1年時から見てきた選手。身長が高くて将来性があるなと思ったのが第一印象です。3年夏の甲子園、花巻東戦ですごくいい投球をして注目を集めた。今夏で言うと、吉田君(金足農)のように。卒業後は僕がいた九州共立大に進学する予定だったけど、甲子園の好投があったので、どうなるかと気をもんでいたんです。でも当時の金城監督から「お世話になります」という連絡をもらって、胸をなで下ろしたのが懐かしいですね。情に溢(あふ)れる人間なんです。

 「大きく育てる」が僕の基本方針。1年春のリーグ戦から起用しました。本人にとって良かったことは、関東のチームと神宮大会などで対戦できたこと。常々「打者がお前の先生だよ」と言ってきました。打たれるには理由がある。なぜ抑えられなかったのかを教えてくれるのは対戦者。レベルの高い選手に投げられたことで現在地を知り、向上心を持てたことが成長を促しました。

 今年は勝ち星がついてきました。でも、ここからが新しいスタート。黒田投手のように誰からも信頼される投手になってほしい。チームを背負って立つ、エースになれる能力と人間性があると思っています。

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