新井、引退発表後本拠地初打点 チームは白星なしで今季ワースト6連敗

 「広島4-5DeNA」(11日、マツダスタジアム)

 連敗は今季ワーストの6に伸びた。優勝マジックは9のまま。だが、マツダは沸いた。広島・新井貴浩内野手(41)が八回、代打で反撃の右前適時打。今季限りでの現役引退表明後初となる本拠地でのタイムリー。最短優勝は17日にずれ込んだが、背番号25を中心に頂点へ突き進む。

 連敗阻止へ、バットに執念を乗せた。2点を追う八回2死一、二塁。「代打・新井」のコールにマツダスタジアムのボルテージは最高潮に達した。異様な雰囲気が漂う中、三上の速球をコンパクトに右前へ。現役引退表明後、本拠地で初安打&初打点を記録した。

 「追い込まれていたので、何とか食らいついていこうという気持ちだった。何とかしたかったので、うまくコンタクトできた。本当にいつもいつもたくさんの声援をいただいてありがたいです」

 試合後は悔しさをにじませつつ、鯉党への感謝を忘れなかった。声援を力に変えて逆転の機運を高めたが、あと一歩及ばす。チームは2015年4月以来、3年ぶりとなる今季ワーストの6連敗。くしくも、新井が引退を表明してから白星なしとなっている。

 これが生みの苦しみか。球団史上初のリーグ3連覇を目前にして、今季最長の7連勝後にまさかの失速。だが、トンネルの出口は見えつつある。この夜も先発が先制点を許す苦しい展開だったが、打線は反発力を発揮。鈴木、野間の適時打で追い上げ、ゲームセットの瞬間まで諦めずに戦い抜いた。緒方監督も「勝ちにつながらなかったけど、内容的には悪くない。打線は粘り強くやってくれた」と手応えを強調した。

 ビールかけの会場となる球場の駐車場では設営準備が進み、広島の街にもお祝いムードが高まってきた。優勝へのマジックナンバー9のままで、最短優勝決定日は17日に延びたが、歓喜の瞬間は時間の問題だ。2勝4敗1分けと本拠地で分が悪いDeNA相手に、今は何とか流れを変えたい。

 プロ20年目。こうした苦境は何度も味わってきた。百戦錬磨の41歳はこう言ってチームを鼓舞した。

 「今日はもう終わったので、しっかり反省するところは反省して、とにかく明日、明日、前を見てやるだけ。しっかり準備をしたい」

 懸命に前を向いて、クラブハウスへ向かった。新井のラストシーズン。試練を乗り越え、再びチームを上昇気流に乗せた先に歓喜が待っている。

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