フランスア日本タイ記録 月間18試合登板!稲尾に並んだ鯉の鉄腕

 「巨人2-6広島」(30日、東京ドーム)

 広島が敵地東京ドームで3連勝。優勝マジックを「19」とした。八回からマウンドに上がったヘロニモ・フランスア投手(24)は、走者を背負いながらも1回無失点で勝利に貢献。これが月間18試合目の登板となり、1956年9月の西鉄・稲尾和久投手、2013年5月のロッテ・益田直也投手に並び2リーグ分立後のプロ野球タイ記録となった。

 誇らしげに左手を掲げ、歓喜の光景を目に焼き付けた。フランスアが18試合登板を達成した。セ・リーグ新記録を樹立し、プロ野球タイ記録。カープアカデミー出身の苦労人左腕が、あの神様、仏様、稲尾様に並んだ。

 「セ・リーグ新記録を作ったことはすごく喜んでいます。明日もいけます。登板があれば新記録になるので、うれしいと思います」

 試合後は満面の笑みでバスまで歩いた。日本語で「新記録はお金(賞金)は出るの?」と報道陣へジョークを飛ばすほどの上機嫌。「お金がほしい!」と繰り返して笑わせた。

 大記録のマウンドは1点リードの八回だ。さすがに連投の疲れが残るのか、先頭岡本へいきなり四球。1死から6番長野に三遊間を破られ、一、二塁のピンチを背負った。

 だが、自信あふれる鉄腕が慌てる様子はない。売り出し中の山本を144キロで空振り三振に斬ると、代打ゲレーロも最速の151キロ直球で2者連続空振り三振に。年俸880万円左腕が2年総額8億円の大物助っ人をなで斬り、東京ドームの歓声を独り占めにした。

 “フランキー”の奮闘を2軍首脳陣も目を細めて見つめている。水本2軍監督は「素晴らしいこと。四国の独立リーグに行ったり、いろんな出来事があったから。投手コーチが一生懸命やってくれたおかげだよ」としみじみ。来日当初はフィールディングが苦手で制球難。そんな姿を知るからこそ、感慨はひとしおだ。佐々岡2軍投手コーチも「今は自信でしょうね」。練習生の頃に緩急の重要性を説き、スライダーとカーブの習得を指示。コツコツ努力を重ねてきた成果が実を結んだ。

 緒方監督も賛辞を惜しまなかった。「記録どうのこうのよりチームの勝利に貢献してくれている。頼もしい」と絶賛。チーム方針から4連投は避ける方向だが、左腕への信頼度は高まるばかりだ。

 登板が続いてもフランスアは疲れ知らず。練習後は全身をマッサージしてもらい、体をケア。元気の源は愛妻が作るチキン料理だ。ハングリー精神旺盛な鉄腕はジャパニーズドリームをつかむまで腕を振り続ける覚悟だ。

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