大瀬良、両リーグ単独トップ14勝 8月負けなし3勝大黒柱の力投でマジック22

 「広島6-2中日」(25日、マツダスタジアム)

 広島・大瀬良大地投手(27)が両リーグ単独トップとなる14勝目を挙げた。7回を投げ7安打2失点。勝利数、防御率はリーグ1位、13勝以上が条件の最高勝率のタイトルも視界に捉え、投手三冠が見えてきた。優勝へのマジックナンバーは「22」となった。

 ありったけの力を振り絞った。3点リードの七回、大瀬良がギアチェンジした。糸を引くようなストレートを低めに決め、2死を奪うと、最後は外角カットボールで代打・工藤を見逃し三振に。首脳陣が下した続投の判断に心意気で応えた。

 「ここを抑えないと男じゃないと思ってマウンドに立ちました。前回のことが頭をよぎりましたけど、チャンスだと思った。七回まで投げられたのは成長かなと思います」

 悔しさをバネに成長の後を刻んだ。前回18日DeNA戦(横浜)は3点リードの八回、無死一、三塁のピンチを招いて、マウンドを譲った。11日・巨人戦(マツダ)に続くイニング途中の降板に無念は募る。翌日、大瀬良は窮地を断ってくれたフランスアを「すごいです。神です」とたたえながらこう言った。

 「次に成長するためのステップと捉えられたらいい。ああいうところを任せてもらえるようにならないと」

 まさに有言実行の投球で、7回7安打2失点。決して本調子ではなかったというが、試合後は磯村のリードに感謝しきり。試合前のバッテリーミーティングも磯村は30分以上前に現れるという。春先から「イソは本当にマジメ。自分も頑張らないと」と一目置いていた。試合後は2人でお立ち台に並び「イソが引っ張ってくれたので連れてきました」とファンへ報告した。

 背番号と同じ14勝は大瀬良にとって、特別な数字だ。2013年12月、入団発表の日に「14勝できればチームに貢献できる。新人王を獲得できるかもしれない」と初々しい表情で目標を語った。あれから5年。「実感はあまりないですが、ゲームを作れるようにやってきた結果。やってきたことは間違いではなかったのかな」と少しだけ胸を張った。

 猛暑が続いたこの夏も交代浴や食事改善で乗り切った。8月は3勝無敗。勝利数は両リーグトップ、防御率も1位を守り、最高勝率と合わせて投手3冠も視界に捉えた。リーグ3連覇のカウントダウンが進む中、大瀬良が9月も白星を運ぶ。

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