安部覇気弾 今季最大9・5差!2日にも優勝M点灯

 「ヤクルト3-6広島」(31日、神宮球場)

 広島・安部友裕内野手(29)が2安打3打点の大暴れを見せた。1点を追う四回に中越えに同点三塁打を放つと、1点リードの八回には3号2ラン。これで4試合連続スタメンすべてで安打を記録。前半戦は打撃不振に陥ったが、後半戦から巻き返しに燃えている。チームはビジター6連戦を白星発進。最短で2日にも優勝へのマジックナンバーが点灯する。

 安部が神宮の花火に負けない爽快な一発を打ち上げた。1点リードの八回無死二塁。3番手・近藤の直球をバットに乗せて、バックスクリーン右へ。試合を決める3号2ランを突き刺した。

 「前の打席のチャンスでふがいないバッティングをしてしまったので、とにかくつなぐ気持ちでいきました。前半戦は何もしていない。仕事をして、チームの勝利に貢献したい」。そう表情を引き締めて振り返った。

 持ち味の“覇気”を全開に4打数2安打3打点の大暴れだ。1点を追う四回は2死一塁から中越えの適時三塁打。「バッティングカウントだったので速いボールにしっかり合わせていきました」。先発・小川の速球に力負けせず、安部らしい打球を飛ばして、試合を振り出しに戻した。

 背番号6にとって勝負の夏だ。昨季はリーグ4位の打率・310をマークしたが、今季の前半戦は極度の不振に陥った。6月14日に出場選手登録を抹消。2軍でひたむきに汗を流し、後半戦から再び1軍に戻ってきた。気温の上昇と共に調子も右肩上がり。それでも東京入り前は「まだまだ前半戦からしたらプラマイゼロにもなっていない。積み重ねていかないといけない」とキッパリ。プロ11年目。不動の三塁レギュラーを目指す男が満足できるはずはなかった。

 これで4試合連続スタメンすべてで安打を記録。西川との三塁争いも激しさを増してきた。東出打撃コーチは「安部と西川の競争になる」と明言。緒方監督も「バティがヒーローだけど、あそこでまさかホームランを打ってくれるとは。(走者を)かえしてほしいところで、最高の結果を出してくれた」と手放しで称えた。

 猛暑の中、屋外球場での試合はこれで4カード連続。厳しい日程の中で神宮-横浜と続くビジター6連戦の初戦を白星スタートした。早ければ、2日にも優勝マジックが球団史上最速で点灯する。通算300勝まであと2勝となった指揮官は「また明日1試合1試合全力で頑張ります」と約束。真夏のV3ロードへ、役者がそろってきた。

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