あきらめずにミラクル弾 下水流「一緒に戦いましょう」

 「広島10-9巨人」(20日、マツダスタジアム)

 敗色濃厚の展開を、伏兵のひと振りがひっくり返した。

 広島が壮絶な打撃戦の末、劇的なサヨナラ勝ち。1点ビハインドの十回、下水流が値千金の3号逆転サヨナラ2ランを放った。

 最後まであきらめていなかった。1点を追う十回、2死一塁。7点差をひっくり返され、球場は重苦しいムードが漂っていた。マウンドには巨人の守護神・マシソン。下水流は「後ろにつなごうと。真っすぐを打とうと思った」と外角直球を逆方向へ。打球は右翼ポール際へ吸い込まれた。

 ナインからもみくちゃの祝福を受けた後、歓喜のお立ち台に上がり、「(バットに)当たってくれて良かった。いい感触だった。届いてくれと思っていた。サヨナラホームランは記憶にない。まさか…。プロの舞台で最高でした」と声を弾ませた。

 西日本豪雨の影響で阪神との3連戦が中止になるなど、カープがマツダスタジアムで試合を行うのは7月4日以来16日ぶり。試合前、西日本豪雨災害の復興支援として、正面入り口で募金活動も行った。本拠地再開初戦で被災地へ勇気を与える白星となり、「久々だったので何とか勝利をと思った。勝利の報告をできて良かったです。今は本当に大変だと思いますが、一緒に戦いましょう!」と呼び掛けた。

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