「阪神３－５広島」（２２日、甲子園球場）

　広島をけん引する役者たちが、交流戦明け初戦から猛威を振るった。田中、菊池、丸の“タナキクマル”がそれぞれ打点をマーク。甲子園に駆けつけた鯉党を何度も沸かせ、首位独走へ向けて弾みをつけた。

　まずは丸だ。四回１死走者なし。秋山の３球目、内角高め直球を完璧に捉えた。高々と舞い上がった打球は右翼席へ着弾。「良い反応で上からたたくことができました。手応え十分でした」。先制の９号ソロに、ベンチへ戻ると白い歯をこぼしナインとハイタッチを交わした。初回にも右翼線二塁打を放っており、通算１０００安打まで残り９本とした。

　“タナキク”も続いた。１点リードの六回１死。田中が四球で出塁すると、菊池が左翼フェンス直撃の適時二塁打。３点リードの七回２死一、三塁では田中が「みんなつないでチャンスを作ってくれたので、後ろにつなぐ気持ちでいきました」と中前適時打を放ち、追加点をもたらした。

　交流戦は７勝１１敗と負け越し。打線は好調だったものの、田中は交流戦打率・２４３、菊池は・１６７と低調な数字に終わっていた。そんな２人がともに好スタートを切り、幸先のいいリーグ戦再開初戦となった。

　２位・巨人とは４・５ゲーム差あるが、阪神との残り２連戦も快勝で終え、今後への流れを確実にしたい。不動の１、２、３番が快音を奏で続ければ、首位の座も揺るぎないものとなる。