「阪神４－３広島」（１０日、甲子園球場）

　初回いきなり２四球を与え、制球難に苦しむ先発・薮田をバットで援護した。二回２死一、三塁のチャンスに広島の８番・会沢が先制のタイムリー二塁打。阪神・小野のフォークを左翼の左へ運んだ。

　「２アウトだったので積極的にいこうと思った。次は投手なのでなんとかランナーをかえしたかった。うまくフォークを拾えた」。

　直後に薮田にもタイムリーが出て２点を先行した。しかし、マウンドの薮田に立ち直る気配はなかった。会沢は落ち着かせようと何度も薮田に声をかけ、苦心のリードを見せたが、制球は一向に定まらない。結局、六回にも２四球でピンチを招き途中降板。リリーフした一岡も踏ん張れず、逆転を許した。

　「乗り越えていくしかないですね」。試合後、会沢は薮田の胸中を思いやった。前回３日のヤクルト戦（神宮）でもコンビを組んで７四死球。そして、この日も乱れた右腕に「球自体は悪くないんだけど…。本人と話してみます」と心配そうな表情を見せた。

　自身も六回の第３打席は併殺打、九回１死二塁のチャンスでも空振り三振。チームの連敗は「３」に伸び、帰りのバスへ引き揚げる選手会長の足取りは重かった。