薮田 初言及!開幕投手「狙っています」 ジョンソン&野村に勝ってつかむ

 広島の薮田和樹投手(25)が10日、マツダスタジアムで自主トレを公開した。昨季、15勝3敗、勝率・833で自身初タイトルとなる最高勝率に輝いた右腕は、開幕投手への意欲を初めて口にした。ライバルはジョンソン、野村ら。春季キャンプ、オープン戦とアピールを続けて、初の大役を勝ち取る意気込みだ。

 多くの報道陣に囲まれた薮田が、これまで言及してこなかった開幕投手への思いを、初めて言葉にした。わずか12人しか担うことができない名誉ある役割。先発である以上、目指さない理由はなかった。

 「もちろん狙っています。できることなら、やりたいという思いがある。言われてもいけるように準備をしていきたい」。小雨が舞うマツダスタジアム。寒空を吹き飛ばすかのような熱があった。

 昨季は中継ぎから先発へ配置転換され15勝3敗。勝率・833で自身初タイトルとなる最高勝率に輝いた。「どうすればもっとやれるかが、ある程度見えてきた」。シーズンでは好成績を残した一方で、CS2度目の登板となった第4戦では五回途中4失点でKOされた。喜びも悔しさも経験した。手応えと残した課題を克服すれば、さらなるレベルアップができると信じている。

 大役を目指す上で、ジョンソンや野村らがライバルとなる。春季キャンプ、オープン戦を通して内容、結果を残し続けるしかない。準備は着々と進めている。「去年、良い成績を残せたから。良い感覚を忘れないようにするため」と、今オフはほぼ毎日、100球をメドにネットスローなどで肩を継続的に動かしてきた。この日のキャッチボールでは力強い球を連発。15日からの合同自主トレ以降にブルペン入りするプランを描く。

 昨季初めて1年を通して1軍にいた。実質2年目となる今季を「勝負の年」と位置づける。他球団は薮田対策を強化してくることが予想されるが「分かっていても打たれない球を投げればいい」と自然体を貫く。その一方で、対抗策のさらに上をいき“2年目のジンクス”をはねのけるためシュート系の球種を練習中。左打者の被打率が・184だったのに対し、右打者の・247を改善するのが狙いだ。

 開幕は3月30日・中日戦(マツダ)。昨季、中日戦は9試合に登板し、負けなしの5勝(救援での1勝含む)と相性もいい。「まずは一から信頼を得られるように頑張っていく。去年以上に良い印象を与えられるように頑張りたい」。開幕投手を勝ち取り投手陣の柱へ-。薮田の挑戦が始まった。

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