広輔、今季も完走 カープ史上初2年連続遊撃フルイニング

 「DeNA13-7広島」(1日、横浜スタジアム)

 広島・田中広輔内野手(28)が、遊撃手としては球団史上初の2年連続フルイニング出場を達成した。初の盗塁王獲得も確実。この日は5打数4安打2打点1盗塁と持ち味を発揮した。チームはセ・リーグ全球団からの勝ち越しこそ逃したが、143試合88勝51敗4分けの成績でリーグ連覇のシーズンを終えた。

 田中が地元・神奈川で球団史上初の偉業を成し遂げた。ゲームセットの瞬間、高橋慶彦、野村謙二郎でさえ成し得なかった遊撃手としての2年連続フルイニング出場を達成。リーグ連覇のシーズンを全力で駆け抜けた。

 「終わってみればという感じなので、まだ達成感はありません。しっかりと1年間仕事ができたと思う。フルイニングはモチベーションになっていた。体がきつい時期もあったけど1年間しっかり戦うことはできました」

 試合前の時点で打率・286。石井打撃コーチから「最低でも・285で」と声を掛けられ、期待に応えた。初回はライナーで右前へ運び、すかさず二盗に成功。これで35盗塁となり、初のタイトル獲得を確実とした。三回は俊足を生かして内野安打をゲット。2点を追う五回は痛快な一撃で鯉党を魅了だ。2死一塁からウィーランドの直球を捉え、右翼席へ突き刺した。

 「ストレートに対して、いいポイントでしっかり捉えることができました。久しぶりにああいう打球を打つことができました」

 ベンチでは珍しく満面の笑み。一発長打も魅力だが、今季は我慢を重ねトップバッターの役割に徹してきた。前日は丸が1番に入り、田中は15年8月12日ヤクルト戦以来の3番に座った。だが違和感をぬぐえず「変な感じがした。いずれは打ちたいと思っていたけどやっぱり違うなと思いました」。やはり1番は座り心地がいい。

 この日は4安打2打点1盗塁の大暴れ。打率・290まで上昇させ、石井コーチから「(フルイニング出場は)ショートに限らず難しいことだけど、並の体力、精神力でできることではない。成長の跡が数字に表れた」と認められた。田中も「出塁率と得点でいい数字が残せたのも良かったし、それが一番評価できるところです」と納得顔で今季の成績を振り返った。

 しばし休息をへて、次なるステージに向かう。田中は「もう一回練習してしっかり調整したい」とポストシーズンを見据えた。昨季のCSは4試合で打率・833をマーク。悲願の日本一へ、鯉のリードオフマンが、短期決戦の鬼と化す。

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