薮田14勝 プロ2度目の完封ショー!セ界トップG菅野を1勝差ピタリ追走

 「中日0-3広島」(8日、ナゴヤドーム)

 広島の薮田和樹投手(25)が、14勝目を自身2度目の完封勝利で飾った。緩急を使った投球で中日打線を手玉に取った。巨人・菅野がこの日のヤクルト戦で15勝目を手にしたため、勝ち星で並ぶことはできなかったが、1勝差をキープ。最多勝争いでピタリと追走する。チームは7連勝で、貯金は今季最多の「33」。優勝マジックを「7」とした。

 敵地のマウンドで、薮田がまばゆいばかりの光を放った。九回2死。遠藤を遊ゴロに打ち取り、ゲームセット。「気持ちがいい。最後まで投げ切れて良かった」と汗をぬぐい、表情を崩した。リーグ連覇へ突き進むチームに推進力をもたらし、最多勝争いにも参戦する1勝は、自分史を塗り替える2度目の完封勝利でつかみとった。

 本調子ではなかったものの、ストライクを先行させた。カットボールやツーシームに加え、時折投じたカーブで打者の打ち気をそらす。「アツさん(会沢)に引っ張ってもらった。全ての球種でストライクがとれた」。剛球一辺倒ではない。丁寧に投げ抜き、試合を優位に運んだ。

 前回登板の無念を晴らした。2日のヤクルト戦は、6回3安打無失点で白星こそ手にしたが、5四球などで三者凡退は1度だけ。フォームのバランスが悪く指先が狂った。「(試合前のブルペンで)ノーワインドの感覚が良くなかった」。初回から走者がいなくてもセットポジションから始動した。五回、先頭の高橋を四球で出塁させたのを反省点に挙げながら、とっさの判断で制球難を回避し、6安打に抑えた。緒方監督は「すごいね、本当に大きいよ」と目尻を下げた。

 「できるだけ長い回を投げたい」。先発転向後、常々言い続けている言葉だ。前日7日までの阪神3連戦では一岡、今村、中崎の勝利の方程式メンバー全員が3連投した。昨季、中継ぎ陣の負担軽減に配慮し、続投を首脳陣に申し出る黒田氏を見てきた。「いろいろ勉強させてもらいました」と感謝の思いは尽きない。チームのためにマウンドに上がり続ける-。レジェンドの背中が、いつしか理想像に変わっていった。

 優勝マジックは「7」になった。栄冠を目指す戦いは、自身のタイトル争いにもなっている。15勝の巨人・菅野を1勝差でピタリと追い、初の最多勝獲得も夢ではない。「自分の仕事を全うしてチームに貢献したい。全員で最後まで駆け抜けたい」。思いは、ただ一つだ。

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