七夕の奇跡!代打新井が逆転3ラン!九回5点差ひっくり返す

 「ヤクルト8-9広島」(7日、神宮球場)

 広島が新井貴浩外野手(40)の代打逆転3ランで劇的勝利を収めた。5点を追う九回、ツバメの新守護神小川を攻め立て2点差。なおも2死一、三塁からバックスクリーンへ運んだ。新井の代打本塁打は16年8月17日・阪神戦(京セラドーム)以来、通算11本目。40代での代打本塁打は球団史上初の快挙となった。チーム一丸で首位を独走する赤ヘル軍団に死角はない!

 七夕の夜に、鯉党の願いをかなえた。新井の弾道が、バックスクリーンへ伸びていく。中堅・比屋根はこちらを向いていた。ゲームセットか逆転弾か…。次の瞬間、大歓声が悲鳴をかき消した。奇跡の代打逆転3ランだ。

 「正直、回ってくるんじゃないかと予感していた。コンパクトにいう気持ちだけ。手応えはあったので、たぶん入ってくれるだろうなと思っていた」

 新井が“神攻撃”のトリを飾った。5点を追う九回だ。バティスタの6号ソロから始まり、菊池の6号ソロ、さらに松山の適時打などで2点差に迫った。なおも2死一、三塁。ここで真打ちが登場。「代打・新井」。地鳴りのような大歓声で迎えられると、通算300号本塁打と通算2000安打を達成した神宮で今年は球団史上初となる40代での代打本塁打を放った。

 「ファンの方の声援と回してくれたチームメートが打たせてくれたホームランだと思います。いつも、いつも、いつも、ありがとうございます!!」

 敵地でのヒーローインタビューで絶叫した。それを聞きながら歩いていた緒方監督は「みんなで勝ち取った勝利」と攻撃陣を絶賛。続けて「その中で、今日の主役は新井ということ」と笑った。

 夏バテ対策はバッチリだ。7月に入ると、午前10時半頃には球場入りし、ウエートトレで汗を流す。「週2回ぐらいはね。(体力が)ガクッて落ちることがないように」。昨季始めた夏ウエートは継続。遠征先では今年から散歩を始めた。「体が硬くならないように」とチーム宿舎近くの公園を歩く。自分の体の状態を見ながら、いつも繰り返す「準備」を進める。6月下旬に痛めた左肘については「だから大丈夫だって!」。一振りで不安を一蹴した。

 「9点差を逆転されると思わないだろう。でもあれがなかったらと、思わないようにしないといけないな」

 5月6日、甲子園で阪神に9点差をひっくり返された後、新井は言った。それも過去の話だ。まだ6月。だが、東京の鯉党は確信したはずだ。リーグ連覇へ、新井が導いてくれると-。

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