新井 若ゴイに負けん! 不惑のベテランが代打で決勝二塁打

 「広島8-7中日」(4日、マツダスタジアム)

 広島・新井貴浩内野手(40)が代打で決勝二塁打を放ち、8-7のルーズヴェルト・ゲームを制した。この日はスタメンが全員20代で平均年齢は25・7歳。若手が先発全員安打と躍動する中、最後は不惑のベテランが試合を決めた。チームは3連勝。5日からは甲子園に乗り込み、2位・阪神と首位攻防3連戦。金本虎も蹴散らす勢いだ。

 ヒーローは二塁ベース上から、赤い絶景を目に焼き付けた。超満員のスタジアムはお祭り騒ぎだ。丸、菊池、安部…。ベンチに視線を向けると、みんなバンザイしていた。ナインの笑顔に応えるように、新井も手を叩いて感情を爆発させた。

 「塁に出てくれて、送ってくれて…、そういう場面を作ってくれたので、何とかしたいと思っていた。本当にうれしかったです!」。ヒーローインタビューでは声を張り上げた。

 両軍合わせて21安打15得点の乱打戦。ハイライトは6-7で迎えた八回だ。先頭・西川が右越えソロ。三度(みたび)試合を振り出しに戻すと、野間は四球、会沢がきっちり得点圏に送って1死二塁。最高の場面で「代打・新井」がコールされた。大歓声に迎えられ、千両役者が勝負強さを発揮した。

 「センター方向に強い打球を打とうと思っていた」。三ツ間の外角直球にバットが一閃(いっせん)。さすがベテランだ。右越え決勝二塁打で熱戦にピリオドを打った。

 先制されても、最後まで諦めない。カープ野球を象徴するかのような戦いぶりだ。この日は中盤の4点ビハインドを追いつき、勝ち越し、勝ち越され…。激しいシーソーゲームの中、若手が躍動した。スタメンは全員20代、平均年齢25・7歳だった。9番・大瀬良を含めた先発全員安打を記録する後輩の奮闘に、ベテランはベンチ裏で心を揺さぶられた。

 「みんなすごく頑張っていた。すごいゲームだったし、準備しながら見ていて、すごいと思った。うれしいね。ハッハッハ!」

 試合後は2日連続の高笑いが飛び出した。スタメンでもベンチスタートでも、ファイティングポーズは崩さない。緒方監督は「粘り強く、すごい攻撃をしてくれた。頼もしい打線」と表現し、「最後は新井がすごい一打を放ってくれた」とベテランに脱帽した。

 チームはすべて逆転劇で3連勝。5日からは2ゲーム差で2位につける阪神との直接対決3連戦。新井は「どこのチームが相手でもやることは同じ。一戦一戦、いい準備をしたい」と静かに闘志を燃やした。敵地甲子園へ最高のムードで乗り込む。竜の次は、猛虎を3度のみ込む。

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