新井が決めた!延長V犠飛 さすが主砲の勝負強さ 開幕2カード勝ち越し

 「中日3-5広島」(6日、ナゴヤドーム)

 頼れる4番が試合を決めた。広島の新井貴浩内野手(40)が、3-3の延長十一回に決勝の右犠飛を放った。九回に守護神・中崎が打たれて同点とされたが、延長戦で主砲が勝負強さを発揮した。チームは開幕から2カード連続で勝ち越しに成功。リーグ連覇と日本一へ向けて、好スタートを切った。

 大きく息を吐き、集中力を高めた。巡って来た千載一遇の勝ち越し機。開幕から6試合連続で4番に座り「こだわるのは打点」と言い続けてきた。だから、絶対に逃す訳にはいかなかった。新井が仕事を果たす決勝の右犠飛だ。

 3-3の延長十一回。1死から田中、菊池、丸の3連打ですべての塁を埋めた。「みんながつないでくれた打席。何とかしたいと思っていた。広輔がよく走ってくれたし、キクもナイスラン!」。投手は岡田から祖父江に交代。2ストライクと追い込まれながら、外角のスライダーを逆らわずにはじき返した。

 右翼方向へ上がった打球は、浅い飛球になった。三塁から田中がタッチアップ。勝ち越し点を奪うと、中日内野陣がもたつく間に、二塁から菊池も生還した。緒方監督は「4番として大きな仕事をしてくれた」と賛辞を送った。

 第3打席までは3連続三振。九回1死では、併殺打に打ち取られた。だが「三振は悔しい気持ちがある。でも、それらの打席は外角内角とも際どいコースを攻められていた。だから逆に開き直ることができた」と気持ちをリセット。九回、守護神の中崎がつかまり3-3の同点にされても「いつも言っている通り、どんな状況でも最後まで諦めない気持ちを持っている」と言った。逆境をはねのける強い精神力も主軸の武器だ。

 昨季、25年ぶりのリーグ優勝を経験。個人では、通算2000安打を達成した。「記録とか、個人的なことでは気持ちが奮い立たない。誰かのために。そういうことを思う方が気持ちが入る」。チーム、そしてファンのために-。新井の思いは、ただ一つだ。

 開幕から6試合を終え、半分の3試合が延長戦。連夜の延長戦にも関わらず、左翼席の鯉党は声をからして背中を後押ししてくれた。「勝てば疲れも吹き飛びますね」。2カード連続で勝ち越しに成功。貯金は「3」に増えた。開幕ダッシュを決めて、再び頂点へ。新井が、その道を切り開いていく。

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