堂林 代打タイムリーで今季初H 慢心なし「続けて頑張ります」

 「広島9-1阪神」(2日、マツダスタジアム)

 右拳をグッと握り、大きくほえた。七回、リードを6点に広げ、なおも1死二、三塁。押せ押せムードの展開に、広島の代打・堂林翔太内野手(25)が続いた。内角高めの厳しい球を鋭くさばき、左前へ。ダメ押しの2点適時打は、待望の今季初安打だ。

 「自分のスイングをしようと心掛けた結果なので。いいところに飛んでランナーがかえってきて良かったです」

 快勝に貢献し、試合後は照れ笑いを浮かべた。「昨年のことを考えたら…この場にいなかったですから」。過去2年は開幕2軍。キャンプ、オープン戦とアピールを続け、今季は3年ぶり開幕1軍をゲットした。開幕戦は代走、2戦目は代打で出場したが空振り三振に倒れていた。

 3月下旬、堂林は開幕前の心境を「楽しみは1割ぐらいです」と漏らした。昨秋から新井に弟子入り。打撃指導を仰ぎ、護摩行にも同行した。限界まで追い込んだ自負があるからこそ、不安が期待を上回る。開幕カードはベンチスタート。限られた出場機会の中で、結果を求めていた。

 「こういうヒットが自分の中ではすごく大きいので。続けて頑張ります」。一塁ベース上ではベンチへ右拳を突き出した。もう一度、1軍の舞台で輝く。強い決意を持って、シーズンを戦い抜く。

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