大瀬良、一発勝負で開幕ローテ試験 12日の教育リーグ阪神戦に先発

 広島・大瀬良大地投手(25)が10日、開幕ローテ入りへ向け、改めて強い決意を示した。12日のウエスタン教育リーグ・阪神戦(鳴尾浜)に先発予定。この試合が開幕ローテ入りを懸けた一発勝負となり、及第点ならば1軍合流となる。本来の力強い投球で、ローテを手繰り寄せる。

 瀬戸内海に面し、宮島・厳島神社の鳥居を臨むことができる大野練習場。潮風を浴びながら、大瀬良が白い歯をのぞかせた。準備は整った。自分の力を信じて右腕を振り抜くだけ-。開幕ローテ入りを懸けた運命の登板を前に不安はない。

 「出遅れた分、頑張らないといけない。一発勝負だし、しっかりと結果、内容を残していきたい。でも、自分のボールを投げれば大丈夫。そこが一番大事だし、結果は自然とついてくると思います」。ダッシュなどでこの日の練習を終えると、力強い言葉で前を見据えた。

 春季キャンプ序盤に「右脇腹の違和感」を訴えた。全体練習から外れて別メニュー調整。実戦が本格化する沖縄キャンプにも帯同できなかった。昨季終了後から連呼してきたのは「開幕ローテに入って1年間、守り切る」。焦る気持ちを抑えながら調整を進めてきた。

 7日にマツダスタジアムに隣接する室内練習場で、約1カ月ぶりとなる打者相手の投球を再開。49球だったが、実戦に近い形だけに力が入り、ブルペンより体への負担は大きかった。それでも登板翌日に、体に大きな異常はなかった。緒方監督が開幕ローテ入りへの「一発勝負」とした12日のウエスタン・教育リーグ阪神戦への準備は加速した。

 2回、約40球をメドにマウンドに上がる予定。故障前の春季キャンプでシート打撃登板はあるものの、試合での登板はない。対打者はもちろん、けん制やフィールディングなど総合的な部分での安定感も求められる。「ランナーを出してからとか、実戦は今年に入ってないけど、これまでの経験があるので大丈夫」と力を込めた。

 開幕ローテが決まっているのはジョンソン、野村、岡田の3投手。オープン戦では、ドラフト1位・加藤(慶大)や同3位・床田(中部学院大)、九里らが猛アピールを続けている。「チャンスをもらった。ローテを諦めるつもりはない」。勝負の時。大瀬良がパワーピッチャーの迫力を見せつけ、残り3枠に食い込んでいく。

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