ドラ1加藤 目標は「日本一」153キロ右腕は田沢に似てる!黒田より馬力!

 広島は8日、ドラフト1位指名の加藤拓也投手(21)=慶大=と東京都内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円で仮契約を結んだ。背番号は未定。最速153キロ右腕は、今季チームが成し遂げられなかった日本一を目標に掲げ、1年目からの活躍を誓った。

 険しい表情で5分間、真っ白な色紙を見つめた。悩んだ末に加藤が記したのは「日本一」。チームが成し遂げられなかった悲願達成を目標に掲げた。

 「けがなく1年間フルで戦えるような体作りをして、チームの優勝に貢献したい。(広島は)今年日本一を逃した。自分が入ったことで日本一に少しでも近づけられるようになりたい」

 最速153キロの直球と、正確にコントロールされたフォークが武器。東京六大学リーグ通算26勝を挙げ、歴代15位の通算309奪三振をマークした。苑田スカウト統括部長は「うちにはいないタイプ。(入団時の)黒田よりも馬力があるかも。チームの4本柱に入ってくる力はある」と期待を寄せた。

 その黒田は今季限りで現役を引退。来季の先発陣は左腕エースのジョンソンと最多勝の野村の2人と、終盤にローテを守った岡田が中心になる。ここに復活を期す福井や、再び先発に回る大瀬良らも加わり争いはし烈だ。

 いずれにせよ黒田の抜けた穴を誰かが埋めなければならない。加藤の起用法については先発かリリーフか、まだ決まっていないが「特に自分にこだわりはないので、与えられた役割を全うしたい」と、どのポジションでも全力を尽くす構えだ。

 東京六大学選抜の一員として登板した5日のヤクルトとの奉納試合では、1回を投げ2安打1失点。「なかなか空振りを取ることができず(アマチュアとは)違うのかなというのは感じた」と、今後の糧になる貴重な経験を積んだ。

 仮契約を終え「しっかりやらなくてはいけないということを再認識できた。毎年、新しい選手が入ってくる。競争も激しいですし、まだやったことがないので不安の方が大きい」。先を見据える冷静さと同時に、高ぶる気持ちもある。

 「自分の力がどれだけ通用するのか試せる場所でもあるので、楽しみにしています」。即戦力としての期待を背負う21歳。頼もしい新人が鯉に入ってくる。

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