新井&黒田、個人記録より調整重視!打点王&2桁星よりCS突破

 25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島の新井貴浩内野手(39)と黒田博樹投手(41)が12日、残り11試合は個人記録よりも、クライマックスシリーズ突破を重視して調整することを明かした。新井は100打点を突破しての打点王、黒田は7年連続2桁勝利となる10勝を視界に捉えているが、84年以来32年ぶりの日本一達成を最優先する。

 リーグ優勝の余韻に浸る時間はもう終わった。新井と黒田は次の頂へ目を向けた。10月12日からCSファイナルSが始まる。シーズンは残り11試合。達成可能な個人記録よりも、1カ月後のポストシーズンへ向けた調整に充てる。

 新井はリーグトップの98打点を挙げており、10年以来4度目の100打点達成が目前。2位のヤクルト・山田とは2打点差で、11年以来2度目の打点王を狙える位置にいる。優勝を決めた後であれば、個人記録に興味を示してもいいが…。無関心だった。

 「(打点王は)取れればいいかな、というぐらいにしか思っていない。正直、そこにモチベーションはない。それよりもCS。1カ月後のCSにどう入っていくかということしか考えていない」。スタメンから外れた11日・巨人戦の試合前練習ではダッシュを繰り返した。CSまでに体を追い込んで、再び状態を上げていく計画だ。

 黒田も同じ思いを持つ。ここまで9勝を挙げており、7年連続2桁勝利へ王手をかけている。先発投手として2桁勝利を目標に掲げてきたが、今はもっと大きな目標がある。

 「体を万全に戻して、CSにしっかりした状態でマウンドに上がれるようにしたい」。11日に出場選手登録を抹消された。今後は疲労回復に取り組み、1軍復帰が見込まれる22日・阪神戦(マツダ)へ調整を進めていく。

 今季の広島は、圧倒的な力を見せてリーグを制した。CSファイナルSでは1勝のアドバンテージもある。だが、2人ともこれまでに何度も短期決戦を経験しており、その怖さを知っている。

 新井ははっきり言った。「一発勝負の難しさは、たくさん経験している。そんな簡単にはいかないから」。わずかなスキも見せないためにも、記録よりも調整を優先させる。

 そして、また歓喜したい。10日・巨人戦で優勝を決めた後、2人はマウンド付近で抱き合い、涙した。ビールかけにも酔いしれた。もう一度、あの感動を-。2人のベテランは再び険しい道を乗り越え、頂を目指す。

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