新井「腹わたが煮えくりかえっていた」エラー取り戻す気迫の一振り

 「広島6-4DeNA」(31日、マツダスタジアム)

 今季初の3連敗を阻止した。2点差の七回、広島・新井貴浩内野手(39)の左中間2点適時二塁打で同点。さらに敵失で勝ち越しに成功。ベテランの一振りで接戦を制し、2位・巨人とは8ゲーム差。2日からは敵地・神宮でのヤクルト3連戦。苦しんで手にした1勝から勢いも再加速じゃ。

 勝利への執念がバットに宿り、白球に乗り移った。二塁ベース上で右拳をグルグルさせるド派手なガッツポーズ後、本塁に生還した際には両拳を強く握った。再逆転。勝利への執念を見せたのは39歳の新井。ミスを帳消しにした。3連敗はしない-とベテランが躍動した。

 ハイライトは2点差で迎えた七回だった。1死一、三塁。初球ファウル後、三上の真ん中低め144キロ直球を狙った。強烈な打球は遊撃手の頭上を越えて、グングンと左中間に伸びる。打球が最深部に到達する間に、一走の丸が一気に同点のホームを踏んだ。4試合ぶり意地の適時打だ。

 「自分のつまらないミスで点を失ってしまった。打席に立つまでずっとクソッと思っていた。腹わたが煮えくりかえっていた」

 四回、五回と得点機で凡退。さらに3点を失った六回、田中の一塁送球を後逸。痛恨の失策で4点目を失った。怒りの一打には、緒方監督の助言もあった。打席に入る前、「リラックスしていけよ」と呼び止められた。「あ、冷静にならないとな…と思えた」。怒りの中に冷静さを持ち合わせた起死回生&名誉挽回の一打。岡田の負けを消し、チームを救った。

 両リーグトップとなる31度目の逆転勝利。「みんな一戦一戦と思ってやっている。その中で全員の意地が勝ちにつながったよ」。好機を演出したのは菊池と丸の連打。試合を振り出しに戻したのは新井だが、主砲は一丸での勝利を明かす。

 「若い選手が多い中で、みんなが必死に頑張っている。僕は逆にみんなに引っ張ってもらっている感じです」

 今季10度の連敗後はいずれも黒星を阻止。98試合を消化して3連敗はなく、優勝した03年の98試合目に3連敗を喫した阪神を抜いた。2位巨人との差は8で、貯金は再び20。最短で5日に優勝マジック32が点灯する。「1試合1試合、必死になってやる」と新井。大粒の汗を拭おうともせず、試合後は次戦に目を向けた。7月を逆転勝利で締め、いざ勝負の8月へ。逆転の広島が一気にVロードを走る。

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