広島の会沢翼捕手（２７）が５日、マツダスタジアムで始動。“山口撃ち”で開幕ダッシュを狙う覚悟を示した。開幕戦で激突するＤｅＮＡは、山口俊投手（２８）が開幕投手に内定。２０１２年に会沢が顔面死球を受けた相手だ。２年連続の開幕スタメンを勝ち取り、昨季負け越したチームに「やり返す」と雪辱を誓った。

　早々と決まった開幕戦の相手に、会沢は驚きながら気を引き締めた。３月２５日のＤｅＮＡ戦（マツダ）。ラミレス監督は４日に、山口の先発を公言した。ＤｅＮＡに対し、広島は昨季８年ぶりに負け越した。その雪辱を果たし、開幕ダッシュにつなげたいところだ。

　「もう決まったんですか。早いですね。ＤｅＮＡと中日にはやられたので、悔しい思いしかない。やられた相手に負けたくない」

　会沢は強い覚悟を隠さなかった。山口は２０１２年８月２日の対戦（横浜）で、顔面死球を受けた因縁の相手。鼻骨骨折など重傷を負った。「全く忘れたこと」と笑ったが、ＤｅＮＡには昨季１０勝１５敗。チームとして受けた屈辱を忘れることはない。

　まず目指すのは、２年連続の開幕マスク。昨季は終盤に失速し、９３試合で打率・２４６の成績に終わった。「開幕は絶対に（マスクを）かぶるんだ、という強い気持ちがある」。オフ期間も「やられっ放しじゃ悔しい。忘れないことが大事」と、昨季の対戦データを徹底分析した。

　緒方監督も会沢をキーマンに指名。昨秋には石井打撃コーチ指導の下、打撃フォームをマイナーチェンジした。構えと始動をゆったりした動きに変更。「僕自身も楽しみです。信念を持ってやる。チームにとって、プラスになれるようにしたい」と会沢。プロ１０年目。正捕手、そして頂点へ妥協はない。