緒方監督「申し訳ない」特別な日に惨敗

 「広島2-8阪神」(6日、マツダ)

 特別な1日を白星で飾れず、広島が5位に転落した。被爆から70年の節目の日に「ピースナイター2015」として開催されたが、緒方鯉は惨敗。選手、首脳陣が背番号「86」の統一ユニホームを着用し、両軍応援団が鳴り物応援を控える特別な雰囲気の中、一度もリードを奪えなかった。試合後、緒方孝市監督(46)は「こういう試合になって申し訳ない」と、謝罪した。

 特別な日だった。気負いがあったのか。8月6日。70年前に広島に原爆が投下された日に催された「ピースナイター2015」は惨敗に終わった。

 緒方監督は重い足取りで会見場に現れると、質問を受け付けず「今日はこのユニホームをまとって、試合前のセレモニーからチームは特別な思いをもって臨んだが、こういう試合になって申し訳ない。まだ試合は続く。切り替えてやっていく。以上です」と、言い残して引き上げた。

 試合前に黙とうがささげられ、鳴り物応援は自粛された。選手、首脳陣全員が背番号「86」のユニホームを着用。胸に「PEACE」、背中に「HIROSHIMA」の文字が入り、左袖には慰霊碑に納められた原爆死没者数297684を入れた。平和への思いを込め、セ・リーグ公式戦では初めて、全選手と首脳陣が同じ番号を背負った。

 そんな独特な雰囲気が重圧になったのか。1-4の四回。無死一、二塁で薮田が送りバントを試みるも二走・田中が三塁封殺された。それでも続く菊池の左前打で満塁とし、2死後、ロサリオの押し出し四球で1点を入れ、なお満塁だったが、新井が三振。主砲は「(走者を)かえすだけだったので悔しい。いつも通り全力でやったんですけど…」と唇をかんだ。

 試合前、丸は「うちにとってすごく意味のある試合。選手だけでなく見ている方たちも平和を考える機会になってくれれば」と話し、新井も「野球ができる喜びをかみしめ、全力でプレーしたい」と語った。皆が特別な思いを共有していたが、結果につながらなかった。

 チームは2カード連続負け越しで、5位転落。7日からは首位・巨人と3連戦。この悔しさを、優勝争いに踏みとどまる糧にしたい。

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