会沢6連勝弾!猛打賞、敵地で虎3連倒

 「阪神2-7広島」(10日、甲子園)

 鯉の勢いが止まらない。広島・会沢翼捕手(27)が2号2ランを含む3安打3打点と大暴れ。守っても先発の福井優也投手(27)を7回1失点に導く好リードを見せた。巨人に続いて阪神を沈めて、今季初の6連勝。最大8あった借金も2と完済間近だ。3位・中日とは1ゲーム差。Aクラス浮上も見えてきた。

 美しい放物線を描いた打球は、左翼席の鯉党のもとに着弾した。2点リードの六回2死一塁。会沢がメッセンジャーの141キロ直球を捉えた。虎を意気消沈させる2号2ランで、今季初の6連勝、2004年以来11年ぶりの甲子園3連戦3連勝を引き寄せた。

 沸きに沸く鯉党やナインと対照的に、会沢は表情を変えなかった。「必死だった。集中力を保つのは大変だが、必死でやるしかない。投手を少しでも助けたかった。新井さんがいないのでつながりを意識した。とにかく食らいついた」。主砲不在の重みを受け止められる打力が、この男の魅力だ。

 二回2死二塁では、先制の右前適時打を放った。1-1の同点で迎えた五回は先頭で中前打を放ち、1死満塁から丸の二ゴロ併殺崩れの間に、勝ち越しの生還を果たした。今季初の3安打で打率は3割を超えた。この試合の3打点を含めて、出場した最近3試合で計8打点と勝負強さも光る。緒方監督は「見事な適時打から始まり、何よりあの本塁打が大きかった。今日は会沢に尽きる」と賛辞を惜しまなかった。

 バットだけではない。リードでも福井を好投へ導いた。相手主砲のゴメスを徹底的にフォークで攻め、無安打に封じた。「一発がある相手。打たれるまで落ちる球で勝負しようと思った」。試合後に福井から「ありがとう」と声をかけられ、ようやく連勝中の重圧から解放された。

 開幕前に指揮官から「投手の良さを引き出せていない」とリード面を酷評された。開幕後しばらく、試合前日には植田バッテリーコーチとミーティングを重ねてきた。課題克服への地道な努力は、先発マスクをかぶった6連勝中4試合の勝利で結実した。

 この日は母の日。会沢は「僕は3兄弟の末っ子でかわいがってもらった。いいプレゼントになったかな」と、母・美栄子さんに感謝した。もっと打って、もっと投手陣を引っ張って、鯉党に勝利を贈る。チームとともに上昇気流に乗っていく。

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