コイの岩鬼じゃ!菊池自賛悪球打ち

 「広島紅白戦、白組3-3紅組」(10日、天福)

 広島の菊池涼介内野手(24)が10日、今キャンプ初の紅白戦で白組の「2番二塁」で先発出場し、攻守に破天荒プレーを連発させた。打っては高めのボール球を中越え三塁打、守りで守備範囲の広さを披露した。キャンプ中に愛聴しているという浜田省吾の「終りなき疾走」ばりの大ハッスル。この勢いで開幕まで突っ走る。

 ありえない一振りだった。一回の第1打席、カウント1-2からの4球目を菊池がフルスイングした。戸田が投じた顔の高さのボール球。「悪球打ちでした。上からたたけましたよ。追い込まれていたけれど、岩鬼みたいに打てました」と笑顔。野球漫画『ドカベン』の人気キャラを思い起こす大根切りだった。

 打球はセンター丸の頭上を越え、中堅左のフェンスに到着。一塁を蹴って速度が上がり、中継が乱れる間に本塁を一気に駆け抜けた(記録は三塁打と失策)。クロスプレーにもならない走力。石井三塁コーチは「あれは速かった」と舌を巻いた。

 初の紅白戦。主力の菊池はまだ、結果を求められる立場ではない。当初は「バットに当たればいいや」という気持ちだったが「初球でいきなりぶつかりそうな内角が来て、スイッチが入っちゃった」と、気合を入れた。

 守りでも度肝を抜いた。一回に鈴木誠が放ったセンター返しの打球を、二塁ベース後方やや遊撃寄りの位置で追いついた。一塁送球も内野安打になったが、スタンドは大きくどよめいた。「あれはショートが捕るべきでしたね」とサラリ。驚異の守備範囲を、当然のように振り返った。

 今キャンプを「自分のペースでやれている。でも、やることはやっている。状態は悪くない」と自己評価する。宿舎では浜田省吾のベスト版を愛聴してリラックス。イチ押しは名曲『終りなき疾走』で「気持ちが盛り上がります」と、笑顔で明かした。

 岩鬼ばりの悪球打ちに遊撃手への打球を“横取り”する守備。盟友・丸との“キクマル”で、チームを引っ張る覚悟の菊池は「第3クールからが勝負。そこでいかに自分のポテンシャルを上げられるか」と13日からの次クールを見据えた。破天荒な男の疾走は、これからが本領だ。

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