緒方監督は満点発進「今年こそ日本一」
「広島春季キャンプ」(1日、日南)
緒方カープが満点発進だ。日南キャンプ初日を迎えた広島・緒方孝市新監督(46)が1日、ナインの機敏な動きに目を見張った。準備不足で臨む選手がいれば、即日2軍に強制送還させる方針を昨秋に示していたが、心配は無用だった。悲願の24年ぶり優勝を狙う新指揮官が、手応えを胸に歩みを進めた。
満足そうにうなずいた。緒方監督は選手のアップを見た時点で、手放しでナインをたたえた。「今朝から選手の顔やユニホーム姿を見ると、引き締まっていて素晴らしい。やる気を感じます」と、声を弾ませた。
昨秋キャンプの最終日に「2月1日に集まったとき(準備不足かどうか)一目見たら分かる。そう映った選手はすぐに、この場(1軍)から消えてもらう」と宣言。厳しい姿勢を示していたが、心配は無用だった。
指揮官はこの日、野手練習を見ることに専念。「選手は十分に動けている。課題を持って自主トレに取り組んだ証拠」と続けた。投手陣も初日から捕手を座らせブルペン投球を行う選手が大半で、畝投手コーチが「びっくりするくらいできが良かった」と話すほどの仕上がりだった。
練習メニューには初日から“緒方色”が垣間見えた。アップ後は野手にベースランニングを、投手にスパイクダッシュを課した。走塁を重要視する姿勢をより明確にした。
野村前監督の下で5年間コーチを務めた。昨年との違いを問われた指揮官は「コーチ時代は自分の持ち場のことばかり考えてきた。監督は選手がいいか悪いか、判断しなければいけない。投手コーチにも自分の意見を伝えていく」と話した。選手の順調な調整ぶりに触れ、職責の重さを再認識した。
目標はただ一つ。「チームは1年、1年成長している。今年こそ24年ぶりの優勝と日本一を勝ち取りたい」。キャンプの満点スタートにも、浮かれる様子はなかった。