野村監督誓った 今年こそ「打倒巨人」

 広島の野村謙二郎監督(47)が24日、23年ぶりの優勝のカギに「打倒・巨人」を掲げた。マツダスタジアムでスタッフミーティンを行い、その中でコーチ陣に対し、3位から浮上するためには巨人に勝ち越さないといけないと猛ゲキを飛ばした。春季キャンプでは、巨人への苦手意識を払しょくするべく、心技体を鍛え上げる。

 異例の猛ゲキだった。春季キャンプメンバーの振り分けなどについて話し合うスタッフミーティングで、野村監督がコーチ陣に力説した。

 「3位からステップアップするためには、一番大きく負け越しているところから勝ち越さないといけない」

 「一番大きく負け越しているところ」とは、もちろん巨人のことだ。昨季、巨人には8勝14敗2分け。セ・リーグで唯一負け越した相手だった。

 優勝するためには倒さなければいけない相手。今オフも容赦ない補強で強化した巨人だが、指揮官は大きな力の差はないと感じている。「星取表を見たら負け越しているが、途中まで勝っている試合も多い。つまり競った試合で勝ちきるのが大事」。昨季は紙一重の勝負で敗れたが、それを逆にするつもりだ。

 そのためには、エースの前田をぶつければいい。しかし問題はそれだけでは解消されないという。根幹にある要因について「苦手意識があると、僕は感じている」と野村監督。08年から昨年まで巨人戦の負け越しが続き、いつの間にか苦手意識が浸透していた。

 2月1日から春季キャンプがスタートするが、苦手意識の克服のためには技術の向上とともに、精神面の強化も必要だ。「キャンプでは1年間戦える技術やメンタル的なものも鍛えていきたい」。相手が巨人でも恐れない強じんな精神力。それを手に入れるためには、厳しい練習で絶対的な自信をつかむしかない。

 今オフに大竹が巨人にFA移籍したが「性格も知っているし、こうされたら嫌だなというのも分かっている」とにやりと笑った野村監督。“打倒・巨人”の野望を成し遂げるためにも、春季キャンプではチーム力アップへ全身全霊を注ぎ込む。

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