新選手会長は梵!重責担い野村鯉を牽引

 広島の梵英心内野手(33)が新選手会長に就任することが1日、分かった。2日に開催される選手会納会で正式に就任が決まる。この日は広島市内で開催された「ヒマラヤスポーツ教室2013」に参加。新選手会長の誓いとして来季は144試合出場し、チームを引っ張るつもりだ。

 まさか自分に重責が回ってくるとは思っていなかった。「30歳を過ぎて選手会長というイメージは湧かなかった」と苦笑い。任期満了となる現選手会長の東出から就任を要請され、何度も固辞したそうだが、「周りを固められたからね」と最終的に承諾したという。

 もちろん決まったからには責任を果たす覚悟だ。「若い選手が言えないことを(球団に)言う役回りだと思っている。今のチームは若い選手が多くなっているし、いろいろ話をしながらコミュニケーションを取っていきたい」と力強く決意を語った。

 選手会長としてグラウンドでもチームを引っ張るつもりだ。一昨年に左膝を負傷。昨季は持病の右膝痛が再発し、オフに手術。その両膝の影響で、今年の開幕は不安を抱えながら迎えた。

 シーズン中も「怖さもあって抑える部分があった」と振り返る。首脳陣も勝敗を左右する戦力だけに、膝の状態を考慮して休養日を作りながら、梵を1年間ベンチに置き、起用し続けた。

 しかし夏以降、梵の膝の不安は消えていった。そして完全に払しょくできたのは、甲子園での阪神とのCSファーストS第2戦。七回1死二塁で右翼線へ強烈な打球を放つと、全速力で三塁を陥れた。さらに九回に二塁走者の梵が迎の左飛で三塁に意表を突くタッチアップ。「ああいう走塁ができたので、まだできると思った」と白い歯を見せた。

 目標は10年以来の全144試合出場だ。「走ったり守ったりという自分のイメージを失いたくない。試合に出ないとマイナスイメージがある。同じポジションで出続けている鳥谷(阪神)はすごいけど、自分も可能性はゼロじゃない」。新選手会長が悲願の優勝へ、プレーで鼓舞する。

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