梵が甦った!3戦連続二塁打&マルチ

 「DeNA6‐2広島」(18日、横浜)

 野村鯉はDeNA・国吉の前に今季初の同一カード3連勝を阻まれた。そんな中で両膝に爆弾を抱えながら3試合連続先発出場した広島3番・梵英心内野手(32)が、3戦連続の二塁打を含む2安打1打点でチーム唯一のマルチ安打と気を吐いた。20日からは0・5差に迫られた4位・中日と敵地で3連戦。梵は「毎試合出るつもりで準備しています」と決意を語った。

 5点を追う八回、この男はあきらめていなかった。1死二塁で回ってきた第4打席。梵は好投を続ける国吉のスライダーを左線に運ぶ適時二塁打を放った。今季初の同一カード3連勝が懸かった試合。キラも中前打で続き、逆転へ夢はつながれたが、先制打を放った広瀬が一ゴロ併殺に倒れ、3連勝はついえた。

 先制点を挙げた初回に四球を選び好機を広げ、三回にも技ありの右前打を放った背番号6。敗戦の悔しさをかみ殺し、国吉について「(スライダーを)振っていけばいいんでしょうけど、速い球があるんで難しい部分はある。去年も対戦しているけど、いい投手を打てるようにしたい」と攻撃陣を代表して言った。

 三次高を出てから、駒大、日産自動車と野球エリートの道を歩んできた。入団当初から攻守に非凡なセンスがあり、チームリーダーとして期待されたが、故障に泣かされてきた。

 昨年10月に右膝の手術を受け、一昨年に痛めた左膝とともに爆弾を抱えてのシーズンとなっている。シーズンを通じて梵の活躍を望む野村監督は、休養を入れながら出場させている。3試合連続で先発出場したのは、7月30日からのDeNA3連戦(マツダ)以来。今回の3連戦では毎試合二塁打を放ち、前夜に続き2試合連続マルチ安打も記録した。

 「(試合に)出たり出なかったりなので、出た時はいいパフォーマンスができるよう心掛けています」。球宴後は、49打数19安打、打率・388と好結果を残している。

 同一カード3連勝を逃したことで、CS出場権を懸けた3位争いは激しいものとなった。20日からは敵地で0・5差に迫ってきた4位・中日と3連戦。投打ともに振るわなかったチームで、一人気を吐いた梵は「毎試合出場するつもりで準備をしているけど、そこは上の判断」と出場に意欲を示した。野村監督は「一戦一戦やっていくしかない」と、気持ちを高ぶらせた。

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