やったぜベイビー!マエケンパパ初星

 「広島10-0巨人」(15日、マツダ)

 広島・前田健太投手(25)が、今季初の中4日先発。7回2安打無失点の巨人斬りで自身最多8連勝とし、ハーラートップタイの14勝目を挙げた。打っては二回、満塁の場面で菅野から先制&V打。12日にまな娘が誕生し、パパとしての初登板を自ら投打の活躍で祝った。巨人に連勝し、チームは今季最多タイ5連勝。CSへ、鯉の勢いはもう止まらん!

 今季初の中4日もなんの、パパは強しだ。前田健が12日に誕生した第1子の長女に最高の祝い星を贈った。「疲れは気持ちの部分。娘の顔を見た時に疲れは飛んだ」。“勝利の女神”パワーは半端じゃなかった。

 初回から最速151キロ直球がうなり、長野、阿部を三振。三回まで無安打と巨人に手も足も出させなかった。六回までわずか69球。体の張りを感じた七回途中、野村監督にマウンドで「この回まで頑張れ」とハッパをかけられた。最後は底力で高橋由を二ゴロ斬り。7回をわずか2安打無失点で巨人打線を封じた。

 打っても自ら決めた。二回無死満塁、菅野の初球、139キロに反応すると、打球は鮮やかに中前に抜ける先制打。この回一挙4点の猛攻を呼んだ。投打の活躍でプロ入り自身最多の8連勝。ハーラートップタイ14勝目。リーグトップの防御率は1・93と再び1点台に突入し、2冠をキープした。

 前回10日・ヤクルト戦(神宮)で6回3失点。12日に都内で出産に立ち会い、13日の朝、名残惜しく愛する妻子と別れて広島に戻った。強行日程での中4日だったが、癒やしてくれたのは早穂夫人から毎日送られてくる娘の写真や動画だった。

 「たった2、3日だけど、子供って毎日顔が変わる。やっぱり(パパになった)気持ちは全然違う」。この日の朝も娘の成長を目に焼き付け、マウンドへと上がっていた。

 チームは今季2度目の5連勝。「巨人には分が悪いけど、今、勝てば、この時期に苦手に勝てればいい」。首位相手に連日の完勝は、昨季にはなかった終盤戦のたくましさ。残り15試合で4位・中日に3・5ゲーム差。いよいよ悲願のCSが近づいてきた。

 お立ち台では大入り3万2068人に「おめでとう」コールを浴びた。「妻もつらい妊婦生活を頑張った。小さな命が生まれて勇気をもらった。次は僕が頑張る番。死にもの狂いで頑張りたい」。エースが赤ヘル悲願のCSを確約した。

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