中日・井上監督 涙の電撃辞任 就任2年目もBクラス低迷で自ら申し入れ 後任選定本格化へ

 中日・井上一樹監督(55)が29日、バンテリンドームナゴヤでの全体練習後、今季限りで辞任することを明かした。低迷の責任を取り、自ら球団へ申し入れた。就任2年目の今季は2試合を残し、59勝80敗2分けで借金21。上位進出を誓った球団創設90周年イヤーだったが、19日にBクラスが確定した。残り2試合は指揮を執る。球団は今後、後任選定を本格化させるという。

 井上監督の目に涙が浮かんでいた。全体練習後の対応は通常、グラウンドで行うが、この日はドーム内の一室だった。井上監督が、ひと呼吸置いて切り出した。

 「結論から申しますと、あと2試合をもって僕は辞任します。けじめとして、成績が振るわない以上、自分がまず責任を取るべきだという決断に至りました」

 春先は松山やサノーらけがによる主力の離脱で進んだ。開幕戦の広島戦(マツダ)では代役守護神・アブレウが九回に4失点して追いつかれ、延長の末にサヨナラ負けする悪夢のスタート。松山が復帰した後も、勝ちパターンが決まらないまま戦いは続いた。

 7月下旬の球宴ブレーク時点で借金17。現実的目標にクライマックスシリーズ(CS)進出を掲げて戦ったものの、3位のDeANと2・5ゲーム差で迎えた8月28日からの直接対決ではまさかの3連敗。5・5差へ開き、Aクラスの背中は遠ざかった。

 心残りはある。だが、昨季は借金15で4位。就任2年間の成績を考え、最後の最後に下した判断は辞任だった。「ビジョンはあっても、3年目の来季をこうしようと言える世界ではない。ただ、僕はさじを投げたわけではない。誰かが責任を取るのであれば、自分だな」。立浪政権からの「継承」を口にしてタクトを振った2年間。指揮官の電撃辞任により、竜は新監督とともに新たな歴史を編むことになった。

 ◆井上 一樹(いのうえ・かずき)1971年7月25日生まれ、55歳。鹿児島県出身。現役時代は左投げ左打ちの外野手。鹿児島商から89年度ドラフト2位で中日入団。2009年現役引退後は中日1軍打撃コーチ、2軍監督などを歴任。20年から阪神1軍打撃コーチ、同ヘッドコーチを歴任。24年に中日2軍監督。NPB通算成績は1215試合で打率・275、79本塁打、349打点。

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