【藤田平氏の眼】阪神・佐藤輝の三冠王に当確ランプ 打率が上がった要因は「広角に打てるようになった」
「阪神(降雨中止)ヤクルト」(29日、甲子園球場)
阪神は29日、ヤクルト戦(甲子園)が雨天中止となった。巨人が同日の広島戦(東京ド)に勝利し、優勝マジックは4のまま。10月2日の“移動日V”が最短となったチームの状態をデイリースポーツ評論家・藤田平氏(78)が分析した。
◇ ◇
打線は底を抜け、いい状態になっている。やはりクリーンアップが打ち始めたことが大きい。連敗中は佐藤輝と森下の本塁打による得点だけという試合もあったが、大山にも当たりが出てきた。近本、中野の1、2番の働きも大きい。本塁打数で佐藤輝に離された森下に力みは見られるものの、得点源である1番から5番まで稼働できており、この日の雨で3日間空いても心配はいらない。
中でも佐藤輝は打撃の波がずいぶん小さくなった。三冠王に当確ランプをともしていいだろう。打率が上がった一番の要因は、広角に打てるようになったことだ。外角の球を左中間へ安打にすれば、投手は次にインサイドへ投げるしかない。今度はその内角の球を右中間へ安打にする。こうなれば、もう佐藤輝の思うつぼだ。安打の打ち方、ピッチャーとの駆け引きを覚えたと言っていい。
1試合の中での修正力も高くなった。打ち取られた打席で甘い球を見逃していなかったか、相手投手の調子も冷静に分析できているからこそ、その失敗を次の打席で生かすことができる。
四球も喜んで選んでいるように見える。1日に3打数1安打1四球なら打率.333で“首位打者”だ。必然的に出塁率、安打数も増える。三冠王に加えて、最高出塁率と最多安打のタイトルを含めた“5冠”も十分に狙えるだろう。
