戸郷 2年ぶり完封「前回は中継ぎの人に迷惑をかけてしまったので」意地の134球 橋上代行巨人6連勝でセ単独首位浮上

 完封勝利で笑顔の戸郷(撮影・金田祐二)
 力投する戸郷(撮影・金田祐二)
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 「楽天0-7巨人」(10日、楽天モバイル最強パーク宮城)

 誰よりも長く、巨人・戸郷翔征投手はマウンドに立ちたかった。胸にあるのは覚悟、責任感だ。「前回は中継ぎの人に迷惑をかけてしまったので、今日は一人で何とか行こう」。5安打で2年ぶりの完封勝利。意地の134球でチームを6連勝に導き、ついに阪神を捉え、今季初の単独首位奪取だ。

 圧倒的な存在感で試合を支配した。悔しさが原動力。前回3日のオリックス戦でわずか14球で危険球退場となったことで、救援陣に負担をかけていた。あれから1週間。気合は十分だった。初回から力強い直球とフォークでバットに空を切らせる。援護をもらいながら7回まで毎回奪三振で自己最多を更新。リズムに乗った。

 エースの心意気にベンチも動いた。7点リードの九回に2死一、二塁を背負うと、橋上監督代行も外野を前進させた。「何とかみんなで完封させよう」と背中を押す。期待に応える自己最多の14奪三振。スコアボードに9つ並べた「0」に、杉内投手チーフコーチも「安心して見ていられた」と称賛した。

 「変化することの怖さを抜け出せる選手が絶対一軍で活躍すると思うんですよね」。今年2月、戸郷は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。投球フォームの修正は微調整も入れたら一度や二度ではない。「ボールを投げないと覚えられない」と、好んでこなかったシャドーピッチングも取り入れるなど、無我夢中できっかけを探し続けた。

 同僚だった菅野や2023年WBCでともに戦った大谷が、変化することで持つ引き出しの多さにヒントを得た。「まだまだ変われるな。変わろうと思えた」。プロ初完投勝利を達成した場所も杜の都、仙台だった。不思議な縁に導かれるかのように2年ぶりの完封勝利だ。大城と抱き合う。エースが本来の居場所に帰ってきた。

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