イチローが外野以外で守った経験のある位置は【プロ野球記録企画】

 デイリースポーツの記録担当がプロ野球のさまざまな記録をひもとく新企画「記録の向こう側」(随時掲載)がスタート。今回はイチロー氏が現役時代の守備位置を取り上げる。

  ◇  ◇

 Q…イチローが外野以外で守った経験のある位置は?

 A…三塁

 1999年6月13日、福岡ドームでのダイエー-オリックス戦での出来事だ。八回、ダイエーの攻撃開始前に場内アナウンスが流れると、スタンドは大きくどよめいた。

 「サード、イチロー」

 オリックスの仰木彬監督は直前の攻撃で、三塁手の大島公一に、代打・ペレスを送った。内野の控えには塩崎真らがいたが、ダイエーの救援左腕、篠原貴行対策として右打者は残しておきたかった。

 そこで監督の「いけるか?」という問いに、イチローは二つ返事で三塁の守備位置へ走って行った。

 九回には小久保裕紀のゴロを軽快にさばき、一塁へ送球。守備機会「1」も刻まれた。

 「せっかく守らせてくださったので、楽しませてもらいましたよ」とイチローは破顔一笑。送り出した仰木監督も「あいつはどこを守らせても、一番うまい」とほっと胸をなで下ろした。

 翌年限りで日本球界を去ったイチローは、2001年から19年間にわたりメジャーでプレーした。守ったのは外野だけで、三塁はおろか内野の経験もない。本職では、広範な守備範囲と強肩レーザービームでも活躍した。プロ生活たった1度の「異世界」は、名手の目にどのように映ったのだろう。(デイリースポーツ・高野 勲)

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