早大 楽天ドラ2伊藤が8回2失点9奪三振「この環境に挑戦させてくれた親に感謝」

 「東京六大学野球、早大5-3慶大」(1日、神宮球場)

 最終週の1回戦1試合が行われ、早大が慶大に先勝した。ドラフト会議で楽天から2位指名を受けた伊藤樹投手(4年・仙台育英)が8回9奪三振2失点と好投し、現役投手では最多のリーグ戦通算22勝目。九回は巨人から2位指名された田和廉投手(4年・早実)がリードを守り、試合を締めた。

 エンジのスタンドが揺れる。西日に照らされながら、伊藤樹は白い歯をこぼした。最後の早慶戦。早稲田のエースが誇りを胸に腕を振った。

 「優勝はもうないですけど、慶応には負けられないという気持ちだけでした」

 手応えのあったカットボールを多投し、9奪三振。走者を背負いながらも要所を締め、8回2失点で攻撃への流れをつくった。「自分の投球を4年間つくり上げてきた。それを出すだけだと思っていたので、結果につながった」と納得顔だ。

 地元秋田から宮城・秀光中への進学、さらに早大入りを勧めてくれた父・学さん(52)の誕生日である9月17日にプロ志望届を提出。「いろいろ考えてしまって寝られないこともあった」と不安な日々を乗り越え、プロ入りの夢をかなえた。「早稲田に育てていただいた。この環境に挑戦させてくれた親にも感謝したい」。恩返しの思いを込めた114球だった。

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