ソフトバンク リスク覚悟で佐々木麟太郎を1位指名 王会長が即電話「すごく喜んでくれて」城島氏が経緯説明「来てくれると信じている」「日本のプロ野球界に必要」現地へ指名挨拶の意向
「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」(23日、都内ホテル)
ソフトバンクがスタンフォード大の佐々木麟太郎内野手をサプライズで1位指名。同じく指名に踏み切ったDeNAと競合となったが、くじ引きの末にソフトバンクが交渉権を獲得した。場内が大きく沸いた。
大役を終えた城島氏は「(王)会長のプレッシャーが半端なかった(笑)。大役を果たせて良かった。残りクジだから祈った」と笑顔。「彼の場合は特種。リスクをしょってでもと。縁があればと思います。佐々木選手、日本とアメリカどちらを選ぶか尊重しています。九州の豪快な野球にあなたが必要。一緒にやりましょう」とメッセージを送った。
交渉権獲得直後に王会長が直接本人と電話し、「すごく喜んでくれて。こっちも嬉しかったね。本人もありがとうございますと言ってくれてね。ホークスに来る事になったら一緒に高い目標をもって頑張ろうと伝えました」とコメントした。
評価については「まずは指名権を得られたことが何より嬉しいですよ。我々の思いが通じたんだと思うね」と喜び、「彼の魅力は何と言っても長打力。長打力というのは先天的なもので、後からなかなか身につくものじゃない。その才能をさらに開花させてチームの看板選手となれるように頑張ってほしい」とエールを送った。
城島氏は報道陣の取材にも応じ「いい選手なんで、どこかとかぶるんじゃないかと想定していた。僕は残りクジなので。そこにかけたというか期待した」と笑み。「彼の場合はイレギュラー、来年の夏まで見守らないといけない。そのドラフト1位で縁がなくても、素晴らしい選手と評価。そのリスクをしょってでも欲しかった」とうなずいた。現地視察し、「日本のプロ野球界に必要というメッセージをしたい」と強調した。
指名挨拶については、「向こうの大学のこともありますが、スタンフォードには近いうちに挨拶にいきますし、明日、お父さんのもとに自分が出向きたい。来てくれると信じている」とした。父で、佐々木洋監督のもとにも挨拶に行く意向を示した。
花巻東で高校通算140本塁打のスラッガー。高校時代もプロ注目の選手だったが、スタンフォード大に進学した。米国で2シーズン目となる大学の公式戦が26年2月から始まり、同7月のMLBドラフトでも指名対象選手。今回のNPBドラフトでの交渉期限は26年7月末で、MLBドラフトの結果を受けてNPB入りするかどうかを決断することも可能。
下位指名の可能性が報じられていたが、まさかの1位指名。しかも競合となり、サプライズの幕開けとなった。
▽佐々木麟太郎(ささき・りんたろう)2005年4月18日生まれ、20歳。岩手県北上市出身。184センチ、113キロ。右投げ左打ち、内野手。幼少期から野球を始め、江釣子小1年から江釣子ジュニアスポーツ少年団に所属。江釣子中時代は金ケ崎リトルシニアでプレーした。花巻東では1年春からベンチ入り。高校通算140本塁打。50メートル走6秒9、遠投100メートル。





