ドラフト注目投手 明大・毛利海大 今春六大学で最優秀防御率 7月日米大学選手権でも0・00で評価右肩上がり
2025年度のプロ野球ドラフト会議が23日に東京都内で行われる。大学生No.1スラッガーの創価大・立石正広内野手(4年・高川学園)に1位での複数競合が予想される中、この秋を迎えて、スカウト陣の評価が上昇している選手も数多くいる。15年連続でドラフト指名選手を輩出している明大の最速151キロ左腕・毛利海大投手(4年・福岡大大濠)と、花園大の最速155キロ右腕・藤原聡大投手(4年・水口)。左右の大学生投手はまさに、注目度が右肩上がりの存在だ。
投球は大胆かつ繊細-。最速151キロ左腕・毛利が最終学年に一躍、ドラフト上位候補に躍り出た。打者にとってタイミングが取りづらいフォームで、常時140キロ中盤から後半の直球と、チェンジアップなどの多彩な変化球を操るゲームメーク能力に優れた投手だ。
今春リーグ戦は9試合に先発し、6勝無敗で最優秀防御率(1・34)とベストナインに輝いた。昨年と比べ球速もアップ。1完投を含めて計58回2/3を投げ、12四死球と制球力も光る。ここまでリーグ戦通算118イニングで、同じ数の118三振と奪三振能力も高い。
さらに評価を高めたのは、大学日本代表に初選出されて出場した7月の日米大学選手権での活躍だ。第1、2戦には救援登板し、いずれも1回無安打無失点。優勝が懸かった第3戦では3連投で先発し、5回無失点で勝利投手となり適応能力の高さを見せた。防御率0・00で最優秀投手を受賞。「地道に努力することで打者を抑える感覚を知ることができた」と手応えを語っていた。
良い意味で感情をさらけ出しチームを鼓舞する姿が印象的だが、2度流した悔し涙が糧となっている。昨秋、今春と2季連続で早大との優勝決定戦を戦い、いずれも先発して敗戦。試合後に泣き崩れた。「もうあんな思いはしたくない。全勝で優勝したい」。5季ぶりVを目指して腕を振った先に、笑顔の“運命の日”が待っている。
◆毛利 海大(もうり・かいと)2003年9月14日生まれ、22歳。福岡県田川市出身。177センチ、77キロ。左投げ左打ち、投手。伊田小2年時から伊田レッドスターで野球を始め、6年時にはソフトバンクジュニアでプレー。伊田中では鷹羽ボーイズに所属し、3年時にボーイズ日本代表として世界少年野球大会に出場。福岡大大濠では1年春の九州大会からベンチ入りし、3年春センバツで8強。明大では2年春にリーグ戦初登板し、通算12勝2敗、防御率1・37。





