広陵が2年ぶり中国大会決めた 暴力事案で再出発、新体制でも不動の強さ 今大会初登板のエース柴田が完封 センバツへ前進

 完封勝利を挙げ、ガッツポーズをする広陵・柴田(撮影・高橋涼太朗)
 中国大会進出を決めた広陵ナイン
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 「秋季高校野球広島大会・準決勝、広陵3-0山陽」(5日、鶴岡一人記念球場)

 準決勝2試合が行われ、部内暴力が発端となり、甲子園球場で開催された全国高校野球選手権大会を途中で出場辞退した広陵が山陽を下し、2年ぶりの中国大会(24日開幕)出場を決めた。今大会初登板の柴田翔大投手(2年)が7安打8奪三振で完封。崇徳はタイブレークに突入した延長十回に、逆転サヨナラ勝ちで広島商を破り、7年ぶりに中国大会出場の切符をつかんだ。

 背番号1がマウンドを譲らなかった。最後の打者を空振り三振に仕留め、軽やかにガッツポーズを繰り出した柴田。「得点圏でしっかり抑えられたのがよかったです」と圧巻の完封劇を振り返った。

 立ち上がりは苦戦した。浮いた球を捉えられ、三回までに4安打を浴びるも、以降は修正。終盤は「直球を狙ってきていたので、スライダーを増やした」と冷静な分析も光り、六回以降は毎回奪三振を記録した。

 チームは準決勝までの計3試合で4失点と投手陣が好調。ここまで登板機会のなかった柴田だったが、投げ込みの量を増やすなど試合を想定した練習をこなし、勝負のマウンドに上がった。「投げたい気持ちもあったが、他の投手陣も調子がよかった。任されたところで結果を出そうと思ってました」と大一番でエースの意地を示した。

 1月に発覚した部内での暴力事案がSNSで拡散され、夏の甲子園を1回戦勝利後に出場辞退。その後、中井監督らが交代するなど体制を一新して迎えた今大会。決勝まで駒を進め、2年ぶりの中国大会進出を決めた。

 今後も勝ち上がれば、2年ぶりとなる来春センバツ出場も見えてくる。「チームを勝たせられるようなピッチングをしていきたい」と柴田。最速146キロを誇る大黒柱が、チームの新たな未来を切り開いていく。

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